●もし、子どもの発達に合わせて学年や開始月を選べたら?

子ども
すべての画像を見る(全4枚)

アメリカでは日本と違い、入園・入学は自己申告制で、子どもの発達や家庭の事情に合わせて時期を決められます。夏生まれの子どもの場合、発達具合を考慮し、1年遅らせて翌年9月に入園・入学させることも可能。

ただし、1年先の入園・入学を選択すると、アメリカのバカ高い保育料がさらに1年分かかってしまうことになります。公立校なら幼稚園年長から高校まで無料となるため、その出費は結構イタい…。

お金持ち家庭は教育にも熱心ですし、いくら保育料やナニー代がかかっても子どもの成長を待てる余裕があるでしょう。ということで、実際に入園・入学を1年遅らせているのは高所得層に限られるようです。シアトルのあるワシントン州では8歳からが義務教育なので、学校に行かずに自宅で勉強するホームスクーリングを実践する家庭も少なくありません。
アメリカでは現在、公立校でも成績優秀者へのギフテッド教育、飛び級、アドバンスプログラムなどを無償で提供しています。成績優秀者はより学力アップできるシステムが整っているため、春夏生まれで勉強が遅れていると、どんどん学力の差が開いていきます。それが大学進学率や名門大学出の割合の差となって、数字にも表れています。アメリカは日本よりも学歴社会。当然、生涯賃金に大きく影響が出るというわけです。

また、コロナ禍で社会的コミュニケーションの機会が奪われた子にとって、就学前の保育延長は有益とする説も。さらなる1年間の保育料を子どもの成長と将来への投資と捉えるか、それとも目先の生活や節約が優先か、親は難しい判断を迫られます。

そもそも、一般的に学年を選べる環境にない日本ではどうでしょうか。子どもによって状況は異なるとは思いますが、もし早生まれで勉強に苦労している子どもが、少し遅れて9月始まりのインターナショナルスクールや随時入学が可能なモンテッソーリの学校に行ってみたら…? 公立でない分、やっぱりお金はかかりそうですが、もともと私立校のお受験を考えている家庭であれば、検討の余地はあるかもしれませんね。