70代、ひとり暮らしのシニアブロガー・紫苑さん。月約5万円の年金をやりくりしながら、お金をかけなくても豊かな暮らしを実践している姿が注目を集め、著書も出版しています。紫苑さんの生活の工夫について紹介します。
60代で初めて真剣に向き合って、お金の不安を解消
30代で離婚し、子ども2人を女手ひとつで育てた紫苑さん。
すべての画像を見る(全19枚)「目の前の仕事をこなし、子どもを育てるのに必死。生活に困らない程度の収入があったので、お金のことは無頓着でしたね」と語ります。
●1か月5万円で暮らすため、衣食住…さまざまな工夫を
60代に入り、仕事が減って貯金をどんどんと崩すことになっても「不安になるだけだから、お金のことは考えないように」と先々のお金のことは見て見ぬふり。収入が減っていくなか、家賃を払い続けることが負担になったため、貯金をほぼ使い果たして築45年の中古一戸建てを購入。国民年金だけでやりくりすることになり、いよいよ現実を直視するようになったといいます。
1か月5万円で暮らすため、衣食住…さまざまな工夫を試しました。食事は安い食材で自炊、オシャレは手持ちをリメイク、インテリアはDIYと、試行錯誤を繰り返すうちに節約を楽しむゆとりも。
「工夫すれば年金で暮らせることがわかり、お金の不安が消えました。自炊と運動で以前より体調がいいし、健康寿命を延ばして、これからの暮らしを楽しみます」
安くて栄養のある“完全自炊”で食費は月約1万円
●1回の買い物予算は4日分で1000円
メインおかずになる魚や肉、そのとき安い野菜のほか、牛乳、卵、ヨーグルトがきれていたら買いたすルール。
「冷蔵庫に残っている食材と組み合わせて3~4日は十分間に合います」
●メインおかずは安ウマ3食材の使いこなしで栄養満点
国産の鶏胸肉と鶏レバーは100g59円、イワシは1尾40円と、安くて栄養満点!
「この3つは重宝しますね。味つけを変えれば飽きずに食べられます」
【和風マスタードチキン】
保存袋に鶏胸肉50gを入れ、15分ほど湯せんし、10分置く。マヨネーズ小さじ2、マスタード、しょうゆ各小さじ1を合わせてかけ、好みでパセリを散らす。
【イワシのパン粉焼き】
イワシは頭と内臓を除く。軽く塩をふってパン粉をまぶし、ニンニクオイルをかけて魚焼きグリルで15分ほど加熱。仕上げにパセリをふる。
【鶏レバーのワイン煮】
鶏レバーは牛乳に10~15分漬ける。片栗粉をまぶしてニンニクオイルで炒め、赤ワインを加えてサッと煮る。エノキダケを加えたり、豆苗を添えても。
●お高めの調味料や食材は見きり品狙いで賢くゲット
「バルサミコ酢やニンニクオイルなど、ちょっといい調味料を使うと安い食材もリッチな味に」。節約と趣味を兼ねた手づくりパンも小麦胚芽やブラン(ふすま)を加えて香り高く。
●野菜は干すとうま味と日もちがアップ
野菜は干し野菜にすると味がよくなり、保存も利いて一石二鳥。「野菜が高いときは買わずに干し野菜のストックを活用。キノコ類はもちろん、ブロッコリーなどでもOK」