●料理をつくってくれたけど…

料理
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さて、ここまではちょっと夫を「できない人」のように書いてしまいましたが、じつは手先がとても器用なので(機械設計を長らくやっていたからとは本人の弁)、大きな身体をして細かい作業をするのが得意なんですよ。家事の中では料理が得意です。昔は私の誕生日に夕飯をつくってくれたこともありました。味もよかった。それをぜひ思い出していただこう!
そろりそろりと夫に頼んでみたのが、お昼ご飯をつくること。リモートワークになり、義母と私たち夫婦の3人で食べるようになったお昼ご飯。簡単なものでいいからと頼んでみたら、「麺類ならつくってもええで」と夫。

はじめは、週に1回やってくれればいいくらいでしたが、2年半経った今は、ほぼ毎日お昼ご飯は夫がつくるようになっています。すごい進歩です! 夫も、リモートワークの昼休憩としていい気分転換になるようです。欲を言えば、つくるだけじゃなく、その先もしてもらいたいなあ。
というのも、得意だと書きましたが、夫がするのはあくまでつくってお皿に盛るまで。買い物も私だし、散らばった野菜や油まみれのコンロ、お鍋やボウルやレードルを洗って片づけるのも、もちろん私でした。料理してくれるのは嬉しいし助かるけど、片づけもしてもらえたら、なお嬉しいのです。

そのまま言うと、きっといい気分はしないと思ったので、「おいしかった、ありがとう」のあとに「できれば、フライパンも洗っておいてくれるとすごく助かる」と頼んでみました。ダメ元で言ったのに、なんと夫が後片づけもしてくれるようになりました。
そのうち、「野菜くずも取っておいてくれると、助かる!」とか、「シンク周りに飛んだ水を拭いておいてくれると、水アカにならずにきれいなんだよね」という私の頼みも、聞いてくれるようになりました。

ただし、毎回じゃありません。それに、私が思うようには片づいてもいません。油がフライパンに残っていたり、落ちたネギを踏んづけたものがあったり。それでも助かるし、必ず「ありがとう!」と言っておきます。すべては、私がする家事を減らしたいため。ラクをしたいため。

 

●夫に率先して家事をしてもらうため、変えたこと

ピーラー

こうなるまでに、夫が欲しいと言った道具を買ったり、調理しやすい環境に整えたりしてきました。
トングがあれば麺をつかみやすい、キャベツ用のスライサーがあれば好きな千切りキャベツも自在、ジャガイモはやっぱりピーラーでむきたいし、包丁ももっと切れるものがいい、まな板も2枚あったほうがはかどると、リクエストは多数。
これ、みんな買いました。本当は、もうものを増やしたくありませんでしたが、夫に料理をつくってもらうほうを優先です!

収納も変えました。ラーメンでもうどんでもそばでもそうめんでもパスタでもつくりやすいようにと、いままでは食器棚の下の方に入れていた麺類を、すべてコンロ下の深い引き出しに収納し直しました。
本当はしまう場所を取るからこんなに道具はいらないとか、「洗っておいたぞ~」と言うけど汚れが残っていたとか、私にも言いたいことはあります。
でも目的は、夫に変わってもらうこと。少しでも家事をしてもらうこと。今がんばってくれていることに感謝して、これからも様子を伺いながら、家事に参加してもらえるよう工夫していきます。
私たちが年金生活に入るまであと数年。お互いが家事をしながら働き、楽しく生き生きと暮らしていけたらいいなと思っています。

 

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