●個人の持ち物はほとんどなし!合理的なアメリカらしいシンプルさ

では、アメリカの小学校はどうなのでしょうか? 私の住むシアトル地区ではキンダーガーテンが小学校に組み込まれており、幼稚園年長から小学5年生までが同じ小学校に通い、9月から新年度が始まります。毎年、新年度に合わせて、リストにある鉛筆やハサミといった文房具からティッシュなどの日用品までの指定品を各家庭で購入したら学校に提出、あるいは各家庭で決まった金額を支払って学校で必要品をまとめ買い、というシステム。

子どもたちは、それを必要なときに共有して使っています。個人の持ち物ではないため、色鉛筆の全色、おはじき一つひとつまでの名前つけを夜中までかかって終わらせる、なんてことはもちろんなく、日本のような負担感は皆無です。

リュック
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各家庭で個人的に用意するのは、ランドセル代わりとなる「バックパック」。リュック式に背負うタイプのほか、最近はキャスターつきのキャリーバッグ式バックパックもよく見かけます。とくに決まりはなく、アニメ、ゲームなどのキャラクターものから、ファッションやスポーツのブランドものまで、デザインも素材もカラーもなんでもあり! 子どもによっては、お気に入りのキーホルダーなどをジャラジャラぶら下げていることも。

布製のリュック式なら、ターゲットやウォルマートなどの大型スーパーマーケットで10ドル(約1300円)くらい出せば買えるので、新学年を迎えるたびに新調する家庭も少なくないようです。小売業界もそれを見越して、新年度が始まる9月を前に「バック・トゥー・スクール」と呼ばれる大規模セールを行うのが通例です。そのため、日本のように「6年間使うものだから」というこだわりの意識はまったくありません。

近年は人気モデルのランドセルが争奪戦となり、すでに今年も来年度の新入生向けの「ラン活」も始まっているとか。それを考えると、アメリカでの小学校入学準備はまったくと言っていいほど手間がかからないですね。

ファイル

気になるバックパックの中身ですが、これは地域や学校にもよるかも? 小学高学年の息子の場合、宿題のプリントや提出書類を挟むフォルダー、水筒、ノートパソコンとその充電ケーブルという具合です。息子の通う小学校では教科書を使わず、教師がそれぞれ用意したプリントやオンライン教材などで学習しているため、日本の小学校のように重い教科書や副教材、資料集、地図帳、漢字ドリル、ワークブックの類は持ち歩きません。

ちなみにテストも、ノートパソコンを使ってオンラインで行うようです。前述の通り、ノートや筆記用具は学校に置いてありますし、フォルダーとノートパソコンも学校からの支給・貸し出しとなります。

そのほか、アメリカの小学校でのランチは、教室ではなくカフェテリアに移動して食べるのですが、給食は選択制であることがほとんどで、わが家はいつも弁当を専用ランチバッグに入れて持たせています。

スナック

低学年まではランチとは別に、「スナックタイム(おやつの時間)」が設けられているため、おやつも持参していました。カットフルーツ、野菜スティック、チーズ、クラッカー、ヨーグルト、グラノラバーといったヘルシーなおやつが推奨されていますが、実際は市販のスナック菓子ですませる家庭も多い印象です。