1974年のデビュー以来、天性の演技力と唯一無二の存在感で、映画・舞台・ドラマ・音楽などジャンルにとらわれず活躍し続ける女優・大竹しのぶさん。4月に上演されるミュージカル『GYPSY』では、舞台で活躍する2人の娘を育てた実在のショー・ビジネス・マザーを演じます。インタビュー後編では、65歳という年齢にとらわれず輝く大竹さんの元気の源や、60代からの生き方などについて伺いました。

インタビュー前編はこちら

65歳・大竹しのぶさんが、昔から喜びを感じる瞬間。「変わっていると言われるけど…」

大竹しのぶさんが思う、日々の小さな喜びとこれからの生き方

大竹しのぶさん
大竹しのぶさん
すべての画像を見る(全6枚)

ミュージカル『GYPSY』で大竹さんが演じるローズは、歌って、踊って、とかなりハードな役柄。普段の体力づくりはどうしているのでしょうか。

「そうなんですよね~。やらなくちゃと思いつつ、どんどん時が過ぎてしまって(笑)。ただ、体力が落ちてきたなとはあまり思っていないので、舞台の稽古で体力づくりをしている感じはあります。

過去に体力面でちょっと大変だなと思ったのは…、還暦のときに、ドラマを撮影しながら舞台のお稽古をやって、レコーディングをして、還暦パーティーのコンサートをやったんですけど、それはさすがにちょっとキツかったです(笑)」

●本当に些細なことで幸せや喜びを感じています

大竹さん

スケジュール的に多少ハードでも充実している、という大竹さんですが、その元気の源を聞いてみると…。

「食べることかな。私はたくさん食べますね。あとは、おうちも好きで、家にいるとほっとします。一緒に暮らしている息子がいるので、ご飯の支度とかはあるんですけど。でも、なにもない日は、リビングでダラダラお茶を飲みながら、ネットフリックスを見たりとか、そういう時間もすごく好きです。“あ~また、こんな時間を過ごしちゃった”って、友達や妹とくだらない話をしたりしています。

先日も、友達家族と一緒にご飯を食べようかってことになって、冷蔵庫にあるもので料理をつくったんです。お鍋でご飯を炊いて、だしをとってみそ汁をつくって、お魚を焼いて…、そんなどうってことないご飯がすごくおいしく感じられて。そういう本当に些細なことで、幸せや喜びを感じていますね(笑)

亡くなった母が、よくキッチンを拭いて『あ~今日も一日、終わりました!』って、言ってたんですね。私が『そんなの明日すればいいじゃない』って言っても、もう絶対にキッチンを最後まできれいにしていたんです。今、同じことをしています(笑)。母が感じていたその気持ちよさも、わかるようになってきました。小さな喜びですけど、元気の源はそういうところかもしれません」