加齢とともに増える、美と健康についてのお悩み。ここではESSE読者のリアルなお悩みについて、医師の八田真理子先生が答えます。
今回のお悩みは「数年前から、生理の前になると肩凝りや頭痛が起こるようになり、それがだんだんひどくなってきている気がします。今は市販の鎮痛剤を飲んでいますが、一度、病院を受診した方がいいのでしょうか?」(Tさん・38歳)です。
生理前になると頭痛と肩凝りが…解決策は?
●鎮痛剤服用のポイントは「早めに服用すること」
生理が始まる3~7日前から、頭痛や肩凝り、下腹部の痛みなどを訴える方は多いですね。そして、生理が始まるとウソのようにラクに。こういった痛みやさまざまな不調は月経前症候群(PMS)といい、30~40代女性の8割ぐらいが経験しています。さらに症状が重く、日常生活に支障をきたす場合は、月経前不快気分障害(PMDD)といい、精神的な症状が出ることも。また、月経困難症や子宮内膜症を併発するケースも多いのです。
この痛みは、排卵後に出る黄体ホルモンが関係していると考えられています。痛みがひどくて日常生活に支障をきたすようなら、早めに鎮痛剤を服用しましょう。市販の鎮痛剤が効くのならそれを服用してかまいませんし、市販薬が不安なら内科や婦人科を受診すれば、症状に合った薬を処方してもらえるはず。そこで月経困難症や子宮内膜症が見つかれば、鎮痛剤のほかにピルや漢方薬が処方されることもあります。
鎮痛剤は、痛みが始まってから服用したのでは効きが悪いといわれています。また、一度ひどい痛みを経験すると、その痛みに敏感になり、治りにくくなる“痛みのスパイラル”にはまってしまうことも。それを断ちきるという意味でも、痛みが起こる前に服用することがポイントです。ただし気をつけたいのは、薬を月に10日以上も連続服用するような場合。薬の連続服用が痛みを誘発している場合もあるので、医師に相談しましょう。
女性は、偏頭痛や肩凝りからくる緊張性頭痛を併発していることも多く、鎮痛剤が効かなかったり、痛みがひどい場合は、頭痛外来を受診することをおすすめします。
PMSがあるということは妊娠できる体だということ。痛みをあまりネガティブに捉えず、前向きに捉えましょう。この時期はゆったりと生活し、生活習慣や食生活の見直しをすることも大切なことですし、それが予防にもつながります。そして、できれば婦人科のかかりつけ医をもつといいですね。
頭痛を予防する方法
●マグネシウムとビタミンB2を積極的にとる
予防薬と同様の効果があるといわれています。マグネシウムはヒジキやホウレンソウ、納豆などに、ビタミンB2はレバーや牛乳、干しシイタケなどに多く含まれています。
●頭痛を誘発する食品を避ける
チョコレートやワイン、チーズなどは頭痛を誘発する代表的な食品といわれています。生理前には控えましょう。
●頭痛の日と程度をメモしておく
頭痛のあった日と月経周期をメモしておくと、自分の頭痛のタイプがわかり、対策がとりやすくなります。また病院を受診する際にも役立ちます。
日本頭痛学会のWebサイトにある「頭痛ダイアリー」を利用しても。医師が監修しており、細かく書き込むことができます。