●撮影中はサバばかり食べていた
すべての画像を見る(全3枚)アクションシーンもふんだんに盛り込まれているとあって、撮影前の体づくりも必須。ただしそのアプローチ方法にも、池松さんならではのこだわりがありました。
「今は上質なプロテインを飲んだり、鶏肉を食べたり…と、筋肉をつける方法について多くの研究が進んでいますが、例えば昔の東京オリンピックの選手を見ると結構細くて、今とは筋肉の質が違う気がします。無駄がなく、ムキムキには見えません。お米やみそ、納豆を食べながら、動ける強い体をつくっていたはずです。生粋の日本人が半年や1年で、筋肉で最も強いヒーローを目指すことは不可能だと思いました。日本のヒーローを演じるなら、和食だと思って。撮影中はなるべく和食、とくにサバばかり食べていました(笑)。続けるうちに体質も変わってきて、疲れにくくなっていったと思います」
そうした体づくりの合間にも、ほっとひと息つくために欠かせないのが、コーヒーを飲む時間です。
「コーヒーと、あとはビールがあれば、ある程度はほっとできます。ただ、豆の種類や入れ方とかにはそれほどこだわりはなくて、なんでもおいしいです(笑)。自炊はあまりしなくて、つくるのは鍋くらい。池松家でよく出ていた水炊きだけは自分でつくれます。といっても、野菜や肉を煮てポン酢で食べるシンプルなものなんですけど」
●人生をどう捉えているかが、俳優を続けていく上で、いちばん大事
今作の撮影では和食中心の食生活を送っていたように、作品や役によって、体を整えるためのルーティンは異なるという池松さん。
「体をベストな状態にすることが、必ずしも役にとってのベストとは限りません。その時々で色々と試します。その役やその現場に合ったベストを探します。ルーティンをなかなかつくりづらい仕事ですが、ルーティンというよりも、ちゃんとなにかを感じて、ちゃんと生きること。これに尽きると思います。人生をどう捉えているかが、俳優を続けていく上で、いちばん響いてくると思っているので。自分の身体と心の声、そしてまわりの人の心の声を聞きながら、日々を過ごしています」