心地よいのはスウェーデン式の機能的な暮らし

さて、この私の引っ越し好きは、どうやら両親から受け継いだものと言えそうです。インテリアデザイナーを職業とする両親も間違いなく「引っ越し魔」ですが、そこには引っ越しするたびに替えるインテリアにワクワク感があるようです。

スウェーデンの家
スウェーデンの知人の家。モダンながらも心地よい空間に
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幼い頃からスウェーデン仕込みの、白い家具に囲まれて育った私も、好みはシンプルで、機能的な暮らしです。

そうは言っても、最初に一人暮らしを始めた1983年当時はIKEAもなく、シンプルな家具を探すのは至難の技でした。ましてや白い家具はほとんどない時代でした。幼い頃からDIYを教え込まれてはいましたが思い起こせば失敗の連続。

幼少期の川上麻衣子さん
幼い頃からDIYが身近だった

引っ越しを繰り返し繰り返しながら、徐々に余計なものをそぎ落として、現在に至ります。50歳を過ぎて、やっと自分好みのものがわかってきた感があります。

つまり失敗はつきものということなのです。

●初めてのひとり暮らしの思い出

ピンク色の部屋
ピンクでそろえていた10代の頃の住まい

いちばん最初の部屋では、まだ10代だったこともあり、カーテンやキッチングッズなどありとあらゆるものをピンク色でそろえてしまい、どうにも子どもっぽい部屋になってしまった記憶があります。

今でもピンクは好きですが、この時の教訓として、色を選ぶときにはよほど慎重に吟味しなければ危険だということ。同じピンクでも質のよいピンクと悪いピンクがあるということ。

●ものを買うときは10年後の自分を想像して

イスの脚にペンキを塗る女性
谷中のショップ兼サロンの2階サロンでもプチDIY

決して高価なものがいいとは限らない点も難しいところです。一目惚れで衝動買いしたもののほとんどは、すぐに飽きてしまうことに気づきました。なので現在は気に入ったものを見つけたら、焦らずに、そのものを手にしている10年後を思い浮かべることにしています。

少し年老いた自分と、そのものが違和感なく溶け込んで見えたならば、連れて帰るというルールをつくることで、無駄な衝動買いは減ったようです。

いずれにしても、増やすよりも減らすことが重要な年齢ですので、手元に残すものも、飽きのこない質のいいものを選びたいと思います。ここから5か月の間にどんな部屋が見つかるのか、わくわくしながら体力をつけて、引っ越しに備えます!

 

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