まるごとリノベーションするにあたりこだわった4つのこと
すべての画像を見る(全21枚)河田さんが理想としたのは、雑居ビルのようにいろいろな場所がある、小さな街のような空間です。
1.貸店舗で毎月の賃料収入を
中低層のビルが建ち並ぶ一画。もともとは1階には酒屋があり、経営者家族が上階に住んでいたそうです。ビルの購入時には1階でフレンチレストランが営業中。オーナーチェンジという形で店舗を貸し出しています。
2.事務所スペースはレンタルスペースと兼用
2階。手前はレンタルスペース。そして奥が事務所。
事務所で作業する河田さん。「最近はリモートで仕事できるので大きなスペースは必要ありません。スタッフとの打ち合わせはレンタルスペースのテーブルで行えますし」。
正面は2階専用のトイレ。右手の階段から上が住居スペース。
3.カフェ、レストラン、ギャラリーなどさまざまな使い方を想定した設備
レンタルスペースにはオープンキッチンとカウンター、壁には水栓やシンク、ギャラリー用の棚などを設置しました。
現在はコロナ禍の影響でレンタルスペースの稼働は自粛中。これからの展開が楽しみな取り組みです。
4.リノベはつくりこみすぎず、古ビルの味わいを生かす
鉄骨造の柱や梁は表しに。窓回りや床、壁などもリノベしすぎず既存の持ち味を生かしたデザインにしました。暗かった階段室の仕切り壁はガラス張りにして広々とした印象に。右手の壁はスクリーンとしても使えます。
間取り図
1階は購入前から営業しているフレンチレストラン。2階は河田さんの事務所とレンタルスペース。3階から5階、ルーフテラスまでが家族4人が暮らす住居です。
2階のレンタルスペースにはオープンタイプのキッチンを設け、大人数でも使える広いテーブルを配置。仕切りのない広い空間の一角に河田さんの事務所スペースもあります。
「スタッフとはリモートで仕事できるので、小さなスペースで十分。妻が仕事を辞めたらレンタルスペースの運営に携わってもらう予定。そこから安定した収入が上がるとうれしいですね」(河田さん)。
LDKは4階。天井からつるした黒い螺旋階段もインテリアに
4階は広々としたLDK。広い空間を引き締めるのは5階の天井からつるした鉄製の黒い螺旋階段。右側をリビングエリア、左側をキッチンダイニングエリアにゾーニングしています。
「料理のしやすいキッチンにしてほしい」という妻の希望を受けてつくられたのは、ステンレスのカウンターをL字に配置したキッチン。床をレンガ敷きにしているので土間キッチンのように使えます。
「3階から上が住宅なので家事動線が気になりましたが、階段動線が最短なので意外に使いやすいです」(妻)。
ダイニングキッチンの天井は鉄骨梁の表しですが、リビングの天井は板張り。床もヘリンボーンのフローリングにしてゆったりくつろげる空間に。
螺旋階段を上がって、キッチン側を見たところ。ダイニングの先のグリーンに、心なごむ空間。
ダイニングに面したテラスには実のなる植物が植えられています。