●近所に自然や公園、遊具がいっぱい

アメリカの公園
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わが家のあるシアトル市内では、多くのコミュニティーセンターに遊具が充実する体育館や公園が併設され、天候にかかわらず未就学児が無料で遊ぶことができます。工作教室や絵本読み聞かせなどのアクティビティーもたっぷり。まるで日本の児童館です。

遊具は安全性が重視された造りで、万一落ちたり転んだりしても痛くないように、下にマットが敷かれ、外でもクッション性のある地面になっています。そのため、小さな子どもでも安心して遊ばせられます。少し大きい規模の公園だと、未就学児向け、小学生向けの2種類の遊具が備えられています。

家にこもっていると手間ばかりかかる子育てに泣きそうになったり、気が立って夫婦げんかも多くなったりしがち。子連れでのお出かけは、気分転換になり、普段はつい忘れがちな「一緒にいられることの幸せ」に気づかせてもらえます。

近所の至るところにある公園は、湖や海、川に隣接し、森が広がっていることも。自転車や徒歩で利用できる長距離のトレイルも網羅しています。夏には水遊びできる乳幼児向けプールや噴水広場もオープン。どこも利用は無料です。そういう場所には、ママもいればパパもいて、子守をする祖父母、または雇われたナニーやシッターらしき人も。利用者に偏りがなく、多様性に富んでいるため、日本の「公園デビュー」的な縄張り意識もありません。

併設するテニスコートやバスケットボールコート、スケートボード場などの利用はだれでも無料。ちょっと郊外まで足を延ばせば農園も豊富にあり、動物に触れ合えたり、フルーツ狩りができたりもします。

●子育て世帯に優しい環境を

また、公園や子ども向け施設のトイレには当然のようにおむつ替えシートがあり、ゴミ箱におむつを捨ててOK。その感覚に慣れてしまうと、日本で「使用ずみおむつ持ち帰り」の貼り紙に出くわすと、少々ガックリきてしまいます。

そもそも、日本ではテロ対策なのか、街にゴミ箱が皆無。アメリカでは公園もそうですし、公共機関や商業施設、商店街の通りにも、ゴミ箱がすぐ見える位置にあることがほとんどです。日本は不便極まりない! ゴミは「自宅で処分」が前提であれば、それなら海外旅行者はどうしたらいいのか? さらに、日本の一部の保育園や幼稚園では、使用ずみおむつを持ち帰るルールがあると聞き、これは大変だと感じました。

もちろん、バラエティーに富んだおいしい離乳食や給食、一時預かりを含む保育料の安さ、国民皆保険制度など、日本の方がいい点も多々ありますが、子どもに優しい社会かと言うと、どうでしょうか。銃社会のアメリカは、治安で言えば確かに日本とは雲泥の差ですが、その高すぎるリスクを前提に子どもが保護されているという側面も。むしろ今後は、安全神話が崩壊しつつある日本で、いまだに子どもだけでの通学やおつかい、留守番が当たり前に行われている方が問題になってくるのかもしれませんね。

日本でもアメリカでも子どもは宝、私たちの未来です。違いはあれ、子育て世帯に優しい環境が整うことを願います。