●日本のスタバに子連れでは入れない?
驚いたのが、日本で昨年バズっていたという「子連れスタバ」論争。スターバックス本社のお膝元、シアトルに住む者からすると、まさに仰天レベルのニュースです。
アメリカのスターバックスは子連れでも気軽に日常使いできるカフェで、レジ横に乳幼児向けの野菜や果物のピューレ商品がカゴに入っていたり、ショーケース内に色とりどりの小さな子ども向け焼き菓子がかわいく並んでいたりします。トイレにはおむつ替えシートも備えてあります。日本のスターバックスは立地によるとは思いますが、静かに過ごす「おしゃれなカフェ」というイメージが強いかもしれません。
アメリカだと親切なレストランでは、子連れで訪れると、ふたつき、ストローつきで水が出てきて、3、4本のクレヨンセットと共にキッズメニューが書かれた紙が渡されます。子どもは塗り絵やパズル、クイズを楽しみながら、食事を待つことができるというわけです。
すべての画像を見る(全3枚)そのキッズメニューですが、日本のように豪華おもちゃつきお子さまランチとはいかないものの、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、チキンナゲットなど、子ども受けするものが通常メニューより割安な価格で用意されています。地域によるかもしれませんが、少なくともアメリカ西海岸では、おしゃれレストランや居酒屋的なお酒を飲む店でも、基本的に子連れ歓迎ムード。お酒が飲める21歳以上しか入れないカクテルバーやナイトクラブ、最高級ランクのレストランでもない限り、子連れでも入りやすい雰囲気があります。
シートベルトつきのハイチェア(乳幼児専用いす)が用意されているレストランやカフェが充実しているのも助かります。じっとしていられない小さな子どもの逃げ出し防止の役割も果たしているため、これがないと親は食事どころではなくなります。今は違うのかもしれませんが、10年前の日本のレストランはハイチェアの用意がほとんどなく、日本帰省の際は、普通のいすに装着できるシートベルトを持参し、大活躍しました。
日本では子連れだと食事を含め、お出かけ先の選択肢がかなり限られる気がします。日本のファミリーレストランやファストフード店は、もともとアメリカの外食チェーンを参考にしていることから、子連れ客に優しいサービスが充実しているのかもしれませんね。