●夢物語が現実化しようとしていた矢先、事件は起こった
すべての画像を見る(全10枚)程なく思いついたのが、「マジンガーZがどのようにつくられたのか」。これについて描かれた作品は、僕の知る限りではないはずだ。原作では兜十蔵博士が1人でつくり上げたことになっているが、もしかしたらその影に作業を手伝った職人たちがいたかもしれない。マジンガーZと下町ロケットを合わせた様な話がつくれるかもしれない!
こうして、マジンガーZの表現方法と大まかなストーリーが決まりました。楽屋でのバカ話が具体性を帯びてきて、こうなってくると俄然やる気になってきます。
早速企画書を携え、原作者である永井豪先生の居られるダイナミック企画さんを訪ねました。話はトントン拍子で進み、公演1か月前。稽古も進み、マジンガーZの実物大の頭部も形を見せ始め…思った以上に凄い迫力。
しかしここで大事件が起こる。新型コロナウィルスの猛威。社会活動がストップし、もちろんエンタメ業界もさまざまな演目が続々と中止になりました。
開催予定の劇場から連絡があり、わが劇団のマジンガーZも上演中止の要請が伝えられ、話し合いは続いたが、泣く泣く中止せざるを得なくなってしまいました。つくりかけのマジンガーZの頭部を前に、いずれ必ずお披露目することを誓ったが、そのときはなかなか訪れなかった…。
●2022年…そのときは遂に来た!
そして中止から2年半程経過した2022年。ようやく有観客での公演の目処が…! やっと胸のつかえが取れる。決意も新たに台本も演出も見直し、全力で準備に取り組みました。
また、公演の延期によってもたらされたのは悪いことばかりではなく、2年半延期したことによって、なんと「マジンガーZの誕生50周年」の節目に当たったのです。わが劇団の公演以外でもさまざまな企画が立ち上がり、マジンガーZの50周年を祝う流れができ上がっていました。
結果、いつものお客さまのほかに、マジンガーZを応援する新たなお客さまにもたくさん足を運んでいただけました。まるで公演にマジンガーZが力を貸してくれたかのように。
遂に迎えた、劇団ヘロヘロQカムパニー第三十九回公演「立て! マジンガーZ」の公演初日。たくさんのお客さまと共に無事、パイルダーオンすることができました。
実物大の頭部にホバーパイルダーが合体した瞬間、客席から大きな拍手が起き、みんなでマジンガーZの誕生を祝っているかのようで目頭が熱くなった。
かくいう僕も、マジンガーZと同じ昭和47年生まれの50歳。すっかりおじさんになった僕も、公演期間中だけは、彼に夢中になっていた子ども時代に戻った気分で、最終日まで一気に駆け抜けることができました。
劇団はコロナの影響で打撃を受けましたが、マジンガーZを舞台化したことによって、気力が甦ってきた気がします。まだまだ、大変な状況は続きますが、不滅の力を持つマジンガーZのようにまだまだ戦っていくぞと、僕の心は燃えているのです。今回はそんなお話。
☆今月の関智通信☆
このマジンガーZの公演は今週(23日・24日)まで配信中。まだご覧になっていない皆さん、元気になること請け合いですので、ぜひご覧くださいませ。
【「立て!マジンガーZ!!」配信情報!】
の計3ステージ! 配信チケット料金:5000円 (アーカイブ期間:公演より3週間)