いよいよ今夜、話題沸騰のドラマ『silent』(フジテレビ系、木曜よる10時~)が最終回を迎えます。放送後は毎回のようにTwitterトレンド1位を獲得し、見逃し配信の再生数では民放歴代最高を記録するなど、まさに社会現象に。

今回は、発売前に大重版が決定した『silent シナリオブック 完全版』より、本作の誕生秘話や、つくり手が描きたかったテーマなど、たっぷりお届けします。

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ドラマ『silent』。魅力的なキャラクターやストーリーの誕生秘話

ポスタービジュ
『silent』(C)フジテレビ
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今作が連続ドラマデビュー作となった脚本家の生方美久さん。川口春奈さんと目黒蓮さんが出演することを聞き、どちらにどんな役を演じてもらうかイメージを膨らませたといいます。

「お話をいただいたときには本当に嬉しかったですし、川口さんと目黒さんのラブストーリーって聞いて、『おもしろそうだな』って思いました。ビジュアル的にもふたりはすごくマッチするので、イメージを広げやすかったです。

おふたりの作品やインタビュー映像などを改めて見直してみると、川口さんは泣く演技が本当にすごくて。ヒロインが泣くシーンは絶対に出てくるだろうと思っていたので、そのシーンを演じてもらうのがものすごく楽しみになりました。目黒さんからは立っているだけで絵になる雰囲気を感じて、しゃべらなくても存在感がある方だなと感じました。

それもあって川口さんか目黒さんのどちらかに耳が不自由なキャラクターを演じてもらうとしたら、絶対に目黒さんの方だなと思ったんです」

●魅力的なキャラクターは、こうつくられた

川口春奈さん
川口春奈さん演じるヒロイン・青羽紬(C)フジテレビ

いざ脚本を書き始める前に、そのキャラクターがそれまでどういう人生を歩んできたのかというプロフィール的なことや、人生の分岐点になった出来事などをA4の紙にまとめ、プロデューサーの村瀬健さんに伝えたという生方さん。

「もうその時点ですごくおもしろくて、僕はすっかり心をつかまれてしまいました」と村瀬さんは話します。

オリジナルドラマで重要なもののひとつが、「役名」。『silent』の役名も、それぞれの名前をだれがどう呼ぶか、ということを大切にして考えられました。

「名前の響き、フルネームの響き、『くん』とか『ちゃん』がついたときの響き、だれがなんて呼ぶのか、子どもの頃のあだ名はなにか、あとはもちろん漢字の意味なども。最終的に二つの候補で悩んだら、姓名判断で画数を調べたりもしました」(生方さん)