日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。この「セックスレス」について読者に取材するシリーズをお届けします。夫が求めてこなくなったとき、浮気を疑うケースは少なくありません。かといって、白黒ハッキリさせるのも勇気がいるところ。今回ご紹介する福井県の主婦・久美子さん(仮名・47歳)もその一人です。15年以上に渡って悩み続けた苦しい胸の内をお話してくれました。
すべての画像を見る(全5枚)「もっと協力してほしかった…」私がレスに陥った原因
私は26歳のときに、5歳上の夫と結婚しました。交際当時は、普通よりセックスの回数が多い方。だから、まさか自分たちがレスになってしまうなんて、あの頃は夢にも思っていませんでした。
●レスになったのは2人目の出産後
結婚してすぐに男の子を、そして30歳のときに女の子を出産。一人目の産後、夫は育児にほぼ無関心。父親という自覚すらない様子で、私は孤独なワンオペ育児に突入。とてもつらい思いをしました。
周囲のママ友のアドバイスもあり、もっと当事者意識をもってほしい! という願いから2人目の出産のときに立ち会いを頼みました。今になって思えば、あれがレスのきっかけになってしまったのではないかと思っています。
●肥立ちが悪くて産後3か月間、里帰り
立ち会い出産をしたからといって、夫の育児に対する非協力的な態度は2人目でも変わらず。私は上の子の子育てをしながら肥立ちが悪く、どうにも身動きが取れなくなってしまったため、3か月ほど長めの里帰りをしていました。
育児で大変だったことのひとつが、下の子どもが重度のアレルギー体質だったことです。一般的な食物アレルギーの品目と呼ばれるような食材が全部NGで、卵や乳、大豆はもちろん、普通のお米も食べられず。そのため市販品をうまく活用できず低アレルギーのお米でおかゆを炊いたり、かろうじて食べられていた白身魚と野菜を使って離乳食をつくる日々。
とにかく普通の育児よりも時間と手間が取られて、1日1日を乗り越えていくだけでへとへとに。この頃は私も、セックスどころではありませんでした。
●無神経な夫。働きたくても働けないのに…
夫は育児や家事に協力してくれないばかりか、専業主婦の私に働いてほしいと思っていたようで、そのことで何度も衝突が起きました。
寒くてストーブなしでは生活ができない北陸の冬。ワンオペ育児で疲弊する私に「久美子が昼間、家にいると灯油代がかかる。日中に家にいられるだけで困るんだ」と言い放ってくる始末。とても働きに出られるような状況ではないのに、思っている言葉をそのまま口にしてくるのです。
下の子のアレルギーのこと、ワンオペのこと、丁寧に説明しても納得してくれず、自分の要望だけを押しつけて何度も同じことを言ってくる夫。家の中は常に険悪な雰囲気でした。夫婦生活が元のようには戻ることはなく、月日だけが過ぎて行きました。
病院で詳しく診断されたわけではないのですが、夫はモラハラなだけではなく、なにか心に問題があるのではないかと感じるようになったのもこの頃です。