53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、同じく里子から養子になった長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、ぽん子ちゃんのおしゃべりのお話です。

養子の4歳児が初めてのお弁当づくり。お兄ちゃんの野球の応援に行くんだ!

53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、同じく里…

ぽん子ちゃんのおしゃべりは今だけのかわいさ<古泉智浩の養子縁組やってみた104>

もうすぐ5歳になる養子のぽん子ちゃんの子育てには、不思議な安心感があって、今小2の養子のうーちゃんのときのような焦りを感じません。うーちゃんが4歳くらいのときには、ほかの子と比べてひらがなが読めるのが遅れていたらどうしよう、なにか取り返しのつかない学習の遅れになりはしないかと非常に焦っていたわけです。

お風呂の壁にあいうえおの表をはりつけて、「今日は“か行”を読んでみよう」とか「うーちゃんの“う”はどれかな」などとがんばって教えていましたが、結局のところ小学校に入ったらみっちり教えてもらえることがわかって、無駄とは言わないけれども、焦る必要はなかったのではないかと思います。

 

●舌ったらずがかわいい4歳のぽん子ちゃん

そういった気構えでぽん子ちゃんにはさっぱり教えていなくて、最近ようやくひらがなの1文字が1音を意味することを理解したような、そんなところです。
「ぽん子ちゃん、脱いだ靴下は洗濯機の前にある白いカゴに入れるんだよ。わかった?」
「あかった」
今ひとつ舌ったらずなところがあって「わかった」を「あかった」と言うので、本当のところ理解しているのか不安になります。脱いだ靴下を洗濯機に入れてくれると、あ、わかってくれた、などと無駄に安心します。

イラスト:「あかった」と言うぽん子
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牛乳をぽん子ちゃんのコップに注ごうとすると
「ぽんこちゃんがしる!」
この場合の「しる」は「する」のことです。なにか液体が漏れているのではないかと毎回想像させられます。

 

●父と兄が「教えてあげる」とブチぎれ!?

また、日付の感覚もまだまだで、どうやら夜に寝ると次の日が訪れることは理解できているようですが、明日や明後日、昨日などの言葉には結びついていません。

うーちゃんと僕とで
「明日って言うのは、お風呂に入って寝んねして起きたら明日なんだよ」
とかみ砕いて説明していると
「パパもおにいちゃんもだいっきらい」
急に怒鳴って部屋を出て行きます。

イラスト:怒るぽん子

自分がものを知らないことをバカにされていると感じるのでしょうか、この調子でなにを教えてもすぐに怒ります。親切に教えてやってるのにブチぎれるとはどうしたことかと、お兄ちゃんもご立腹です。

小学校に入って先生に教わってもこのようにいちいち怒っていたらなにも学習できないのではないかと思うのですが、バレエ教室や、保育園で週一であるのピアノ教室(有料)では、ほかの子と一緒にいい子で言うことを聞いているようです。
普段家でさんざんいたずらをしてからかっている僕やお兄ちゃんが、偉そうにものを教えていることにムカついているのかもしれません。