●悩んでいる友達に寄り添える奈津江

どこへ行ってもすぐに人と打ちとける性格はいまも変わらず。男の子も女の子も関係なく仲良くなるので、親友には男の子がたくさんいます。彼らはわが家にもしょっちゅう遊びにくるし、みんなでクラブに行くというときでも「エリコ。ナツエは大丈夫。僕たちがいるから。帰りはちゃんと送ってくるよ」と、友達にもとても恵まれています。
同時に、彼女は友達の相談にのることも多く、そんなときにはいつも「奈津江のことを信用していいよ」と、お友達に言ってあげたいくらい、信頼のおける子だと思っています。

●すっかり涙もろくなってしまった私

親子
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昨年の大晦日、家族でニースのレストランでランチをしていたときのこと。高校の最終学年の奈津江は、パリっ子の多くがそうであるように、その晩パリで友達との年越しパーティがありました。けれども、トラブルでなかなかチケットが取れず、その日のうちにパリに戻れるのかどうかで彼女の頭はいっぱい。出発時間の迫ったチケットを夫がようやく確保すると、奈津江は一目散に店を飛び出していきました。ごはんも食べず、だれにも挨拶のキスをしないで…。

私にとっては、初めて1月1日を奈津江といっしょに迎えられないことがすでにショックだったのですが、彼女が振り返る時間も惜しいかのように店を飛び出していく姿を見て、改めて奈津江は前しか見ていなくて、そしてこれが大人になっていく子どもの後ろ姿を見つめる親の気持ちなのだと、キュッと胸が痛く寂しかったのです。

無事にチェックインできたと電話してきた彼女に、私は「気をつけてね。ちゃんとコロナのセルフテストをしてから行くのよ。伺うお宅に迷惑をかけないようにね。大好きよ。ボンソワレ」と返すそばから、堰を切ったように涙が溢れてきてしまいました。18歳からが成人のフランス。私が18歳のころよりもずっと大人になる自覚が強いのだと思います。それはむしろ誇らしいことと思いつつ、つい涙もろくなる日々です。

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