狭いリビングの方が快適! ライフスタイルによっては、こんなケースも。インテリアコーディネーターの木村充子さんは、家族4人の個室確保を優先し、7畳のリビングダイニングの家に10年間暮らしています。子どもとの距離感、掃除の手間、インテリアの楽しみ方といった点では、狭いことにむしろメリットを感じるように。その詳細を語ります。また、狭いならではの、家具&照明選びのコツも。

7畳のリビングダイニング
筆者が暮らす家のリビング。手前のダイニングを合わせて7畳ほど
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10年前に購入した家は中古の狭小3階建て

2階の間取り
2階の間取り(購入時)

筆者は夫と2人の娘(長女25歳、二女17歳)の4人家族。10年前に、築15年の小さな敷地に建つ3階建ての建売中古の家を購入しました。

1階に洋室が1つ、2階にダイニングキッチンと洋室が1つ、3階に洋室が2つという4DKの間取りで、リビングがありません。そこで、最初はこの2階部分をワンフロアにリフォームして、3LDKにしようと考えました。

ところが、ダイニングキッチンと洋室をつなげてLDKにするためには、トイレとキッチンの位置を変える、大がかりなリフォームが必要。築15年でも内装や設備の状態がよかったこともあって、リフォームは見送り、間取りを変えずに住み始めたのです。

 

家具入り2階平面図
現在の2階の使い方

広いリビングはあきらめたものの、リビングは欲しい。そこで、日当たりと眺望のいい7畳のダイニングにテーブル、食器棚、ソファ、テレビボードを置いて、リビングダイニングとして使うことにしました。

 

狭さに合わせた家具&照明選びでストレスなし

コンパクトなダイニングテーブル

狭いリビングダイニングには、以前の住まいから使っていた幅140㎝のテーブルと、新たに購入した幅155㎝のコンパクトなサイズのソファ(4人家族だと180㎝ほしいところ)を置き、動線をしっかり確保しました。

リビングのドアからテーブルを回り込んで奥のキッチンに行きますが、チェアに座っている人がいてもスムーズに通れます。人がつかえることがないので、ストレスなし。

 

照明

照明も、狭いリビングに合ったものを選びました。というのも、一般的にはリビングダイニングには、テーブルの上を照らすペンダント用と、部屋全体を照らすシーリングライト用の、2つの引掛けシーリングがついているもの。

ところがこの部屋は、ダイニングとして設計されたため、照明の設置場所が1つしかついていません。そこで、一灯ずつ角度を変えることができるシーリングライトを選び、テーブルの上も部屋全体も照らせるようにしました。

 

広いリビングよりも、みんなの個室を確保

2階の個室を見る

広いリビングをあきらめたおかげで、4つの洋室を家族それぞれに割り当てることができました。1階の洋室は夫の部屋、2階の洋室は筆者の部屋、3階の2つの洋室は娘たちの部屋に。夫婦ともに家で仕事をすることが多いので、この環境はとても助かっています。

 

ソファ

また、娘たちと程よい距離を保ち続けているのも、この狭いリビングのおかげ。

狭いリビングに家族が集まるときは、一緒に食事や会話を楽しんだり、同じテレビ番組を観たり。4人で同じことをして過ごします。一方、それぞれの個室には一切干渉しません。家族が一緒に過ごす時間とひとりずつ過ごす時間が、ちょうどいいバランスだと感じています。