●残しておきたい衣類やバッグはていねいに保管
手書きのメモだったり、においがしみついた服だったり、肉体を感じさせるものはやっぱり捨てがたいものがあります。とくに洋服は、よれたパーカーや色褪せたズボンなど、ボロボロの服ほど捨てられません。
すべての画像を見る(全9枚)これは、無理に処分しない。気がすむまでとっておいて、匂いを少しでも長く持たせるためにビニール袋に入れて衣装ケースにしまっています。
通勤バッグは、クローゼットの奥に入れっぱなしにしていたら革にカビが生えてしまっていました。夫が定年退職する年齢になるまでは持とうと思うので、カビた部分は水ぶきしてオイルを塗り、ていねいに保管。衣類や革製品は、ときどき出さないと状態が悪くなったりするので要注意です。
●無理してがんばらない
どれだけ残すか、いつ処分するのか、どういう形で遺したり処分したりするかは1人1人違い、年齢、状況などでもまったく違うと思います。今回は私の実体験を紹介していますが、こうあるべき、こうしたほうがいい、などと考える必要はありません。
触りたくないものは触らないでOK。自分の精神状態の悪いときもやらない。とことん自分勝手に、気がすむようにやるのが遺品整理の正解ではないかと思います。もちろん、専門業者に頼んで一気に処分というのもありです。
そんな大変な労力のかかる遺品整理ですが、ざっくりものを眺めているだけでもいろいろな発見があります。私が残しておかなかった結婚式のアイテムがあったり、学生時代の友人や会社同期の名簿、呼ばれた結婚式の招待状も律儀にとってありました。定年したら、それらを見返して思い出にふけったり、みんなに連絡して飲んだり遊んだりするつもりだったのでしょう。
寂しさのなかにもほほえましく、懐かしく、温かい気持ちが生まれることも、最後につけ加えておきたいと思います。