●忘れられない…あの衝撃の味

ガリガリ君のフレーバーは、年間の商品スケジュールをあらかじめ決めて商品開発に臨みます。そのため、発売時期や販売数量、販売期間を予測・計画し、1年以上前から発売時期とフレーバーを決定する商品も多数存在。

ガリガリ君
すべての画像を見る(全12枚)

なかでも印象的な味が、2012年に発売した「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」です。衝撃の3部作として連日話題にあがり、今でも鮮明に覚えているという方も多いのでは? じつはこの伝説の商品が誕生したのは、お客さんからの「最近のガリガリ君はおもしろみがたりない」という意見がきっかけです。

消費者の声を真摯に受けとめ、担当者が「あっと驚かせるようなフレーバーを開発しよう!」と試行錯誤していたある日のこと。たまたま見ていたテレビ番組で、じゃんけんで負けたお笑い芸人が夏の暑い時期に熱々のコーンポタージュを買ってくるという場面が放映。暑い中で飲む反応を楽しみにしていたところ、みんなから「おいしい!」という予想外の反応が…! 

これに着想を得ていろいろと調査してみると、駄菓子の売れ筋商品でもコーンポタージュ味は人気だったことが判明。ほかにも、コーンポタージュという温かいものをあえて冷たいアイスで表現したらおもしろいのでは? という考えから、この味を新フレーバーとして開発することを決意します。

●強い想いが、おいしさへとつながる

しかし、担当者本人の「どうしてもコーンポタージュを出したい」という強い思いはあっても、そう簡単に発売できるものではありません。そこで、担当者は、“あえて”最終候補5種類のうち4つくらいは完成度を抑え、コーンポタージュだけおいしいものができるよう完成度を高めるという驚きの作戦に出たそうです。

画像はイメージです
画像はイメージです

ほかの全社員が帰った夜もひとり会社に居残り、何十回も試作を重ね…周りの社員にも気づかれぬよう、試作後は窓を開けたり、扇風機を回したり…とにかく換気を十分にするなどの配慮もしたそうです。

ガリガリ君リッチコーンポタージュ
「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」

そうやって血のにじむような努力を重ね、ときにはうまく誘導しながら…プロジェクトでの提案時に「コーンポタージュがいちばんおいしい!!」と仕向けることに成功! そこから無事に販売したのがこの「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」というわけです。

ガリガリ君のフレーバーには、コーンポタージュに限らず、どの商品にも担当者の「この味を届けたい!」という強いこだわりと想いが込められ、それがおいしさへとつながっています。常に消費者を楽しませてくれる赤城乳業から、今後さらなる衝撃の商品が発売されるのが楽しみですね。

11月5日公開予定の後編では、ガリガリ君の人気フレーバーや、味へのこだわり。そして、禁断の価格に関してのお話もたっぷり伺いました! こちらもぜひお楽しみに。