●今の時代こそ、嫌われることを恐れてはいけない

昔と今の時代で大きく違うのは、介護保険ができたことです。昔は、村八分にされるような嫌われ者でいると、周囲の人のサポートが受けられず、路頭に迷うことがありました。村八分になったおじいさんが、いざ介護が必要になったとき、周囲の人がだれも助けてくれずに困った事態になることも多々ありました。

だからこそ、ご近所づき合いが大切になっていたわけです。

しかし、今は要介護認定されれば、介護支援を受けることができます。つまり周囲のサポートがなくてもなんとかなるので、「嫌われてもいい」と開き直ることができる時代です。

介護を受ける女性
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時代が変わったのに、「昔と同じようにご近所の様子をうかがわなくてはいけない」「周囲の人と仲よくしなくてはいけない」という考えだけが残ってしまい、自分を殺して、周囲に合わせようとする人が高齢になればなるほど多いようにも思います。それでは一生、遠慮の人生になってしまいます。

でも、これまでご自身を押し殺して生きてきた人ほど、「どうやって自分らしく生きられるのか」と思うかもしれません。

自分を出す最大の方法は、思ったことを言葉にしてみることです。「これは言っちゃまずいんじゃないか」と思っていることを、言葉にしてみましょう。すると思ったよりも周囲からの反応がよいこともあります。たとえば「高齢者に免許返納させるのは差別だ」「タバコを吸っている人を迫害するのは差別だ」などと言ってみましょう。

養老孟司さんの『バカの壁』(新潮新書)でも書かれていますが、こちらが言った言葉を相手がその通りに理解してくれる保証はほとんどありません。本音を言ってみると、それに反対する人も間違いなくいるでしょう。

ただ、逆に、こちらが言った言葉に対して、相手が思った以上に好意的な反応を示してくれることもあります。

10人に言って2人賛同してくれる人がいるならば、言いたいことが言える相手が5人もいると考えられます。それだけの人が賛同してくれるのであれば、老後はきっと退屈しないでしょう。

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