「あぁ、こんどは、なにか音楽が聞きたい」

目を使ったあとは、耳を使った楽しみを味わいたいと思いました。ふと海岸を見ると、なんとCDとコンポが流れてきました。CDのタイトルは「ヘビーメタル組曲」。演奏しているのは、まったく知らないミュージシャンです。しかも、それは外国のミュージシャンでした。ブルーブルーさんは、外国のミュージシャンをまったく聞きません。なぜなら、音楽においては「歌詞」を重視しているからです。

CDをセットして再生ボタンを押すと、軽快な音楽が流れてきます。外国語で歌っているので、歌詞の内容はわかりませんでした。しかし、聞いているうちにだんだん愛着が湧いてきました。

「なにを言っているかわからないけど、これはこれでいいか」

その音楽をかけながら、その日は寝ることにしました。

次の日になると、またあまり好きじゃない食べもの、読んだことがない本、興味のない音楽が流れ着いてきました。どれも手にとってみると、なにかしらの発見があって楽しいものでした。

「ぜんぶ興味ないけど、ぜんぶ興味深い」

ブルーブルーさんはこの無人島で、一生を楽しく暮らしました。

 

【見出し】編集部より

ちょっと待ってください。「無人島に行け」ってことでしょうか。そこまでしなくても、新しいものにふれることはできると思います。好きな映画を撮った監督の別の作品を見たり、知り合いの趣味にそのまま付き合ったりすると、いろんな世界が見えてきますよ。

むちゃなことをせずに、すこしずつ、すこしずつ。

 

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