番外編:デスク&テーブルの場合
すべての画像を見る(全17枚)最後に、収納以外の造作家具についても軽く触れてみましょう。
筆者への相談者のなかでも「迷っている」と声が多いのが、デスクを造作家具か置き家具にするかという問題。普通の個室に設置するなら、今後の模様替えなどもありますから、自由度の高い置き家具にするのが一般的。
一方、上の写真のように、「あらかじめ間取り決めの際にデスクコーナーとして計画され、今後もレイアウト変更の可能性がない場所」は、造作家具にメリットが多いことがあります。
加えて「コンパクトだけど、なんとかデスクを設けたい場所」にもおススメ。ピッタリしたサイズの方が、当然デッドスペースも生じないので、コンパクトな空間を目いっぱい使えるからです。
ダイニングテーブルも、置き家具が一般的。しかし上の写真のように、キッチンと連続させた形状のプランの場合は、キッチン幅に合わせてジャストサイズのテーブルを造作するのも手です。
このお宅では、リノベーションの際に大工工事で造作テーブルを製作しました。床には固定せず、あえて可動式に。来客時に大人数でテーブルを囲むときなど、ちょっとテーブルをずらして使うことができます。造作家具にちょっとした工夫を加えることで、料理や食事の時間がもっと楽しめるように…そんな事例と言えます。
どちらがいいかはケースバイケース
造作家具と置き家具のさまざまな事例を見てきました。両者にはそれぞれのメリットがありますから、どちらがよいかはケースバイケースです。
新築やリノベーションの際には、間取りとあわせてこうした点も建築士によく相談して進めるとよいでしょう。なにをどのように出し入れするのか、事前にしっかりしたシミュレーションも大切です。ぜひ、使いやすい収納を計画し、心地よい暮らしを実現していただきたいと思います。