キャンプ好きの40代の夫婦と2人の子どもたちが暮らす、職住一体の新築住宅です。建築家でもある住まい手は、公園の隣の土地を見つけひと目ぼれ。この公園の延長のような、オープンで気持ちのいい家を建てました。天井高約3.4mのLDKは窓いっぱいに景色が広がり、中にいながら屋外の気持ちよさ。庭では、芝生にタープやテントを張ってご飯を食べたり、そのまま外で寝たりすることも。中でも外でもアウトドアライフを満喫しています。
すべての画像を見る(全26枚)南北2つの庭を満喫できる職住一体の家
小長谷さんの家 東京都 家族構成/夫40代 妻40代 長男13歳 長女10歳
設計/小長谷亘建築設計事務所
建築家・小長谷亘さんの自宅があるのは、アップダウンの多い丘陵地の一角。敷地は北に向かって下る傾斜地の途中にあります。道路から最大6m下がる特殊な状況を、コンクリートの人工地盤で2階へ直接アクセスすることで解決しました。
内部は開放的なつくりで、1、2階ともに南北の大きな開口部が特徴。南側には広い芝生の庭と公園の景色、北側には家庭菜園のある庭と斜面を見下ろす眺望が広がります。
目指したのは、人が気軽に集える、公園の続きのようにオープンな家。「緑や空を家の中にも取り込んで、自然体で楽しく住める家がいいねと話していました」と語る妻は照明デザイナー。2階を妻と小長谷さんの仕事場、1階を住空間とした職住一体のスタイルです。
アウトドアを楽しむ家のこだわりポイント
敷地のデメリットを逆手に取って庭に生かした小長谷邸。広い庭でのアクティビティを楽しみ、中にいても外とつながれる設計のポイントを紹介します。
1.公園の借景を生かす南の庭
擁壁の上にある公園の緑を、庭や室内からの眺めに取り込んで。大きな落葉樹が夏は木陰をつくり、冬は葉を落として日差しをさえぎりません。春は公園の桜を庭からライトアップして、プライベートなお花見も!
2.公園の景色を満喫する2階アトリエの窓とテラス
公園と同じ高さの2階バルコニーでは、1階とは違った借景が臨めます。2階南側部分を1階に対し斜めにしたことで、バルコニーの広さが確保でき、道路からの視線も気になりません。
3.庭を身近に感じる内と外の一体性
2か所の出入り口以外を全面フィックスガラスにして、公園、庭、室内の連続感をつくりました。
床と天井に接する部分に枠をつくらないことで室内外の境界を消し、適度に方立(ほうだて・窓の左右を仕切る縦の部材)と縦横の桟を入れてガラス面の単調さを払拭。
4.ハンモックをつるせる頑丈な壁と大空間
天井が高い大空間はハンモックをつるのに好都合。コンクリート壁の頑丈さを生かし、あえて埋めずに残したピーコン穴にフックを取りつけました。いくつかの場所や高さで試してベストな位置を探りあてました。
5.見晴らしのよさと菜園を楽しむ北の庭
北側も見晴らしがいいので南側同様大きなガラス面に。庭は果樹や野菜、ハーブなど植えたキッチンガーデン。
窓辺のキッチンから畑で育つ作物を眺められ、収穫した野菜やハーブがすぐ食卓に上ります。
6.キャンプ用品を一手に収納する地下の納戸
大量の本やキャンプ用品は地下の納戸にまとめて整理。細長い部屋の両側面を棚にして見える収納にしたので、物をしまいやすく探し出すのもラク。徐々に増えてきたキャンプ用品も管理しやすくなっています。
7.高い天井いっぱいの窓で庭の景色を取り込む
LDKは、天井高約3.4mの大空間。南北両面を全面ガラス張りにすることで、破格の開放感が得られました。道路からかなりの高低差があるため、外からの視線を気にせずリラックスして過ごせます。