●3:その瞬間に起きていることに専念しよう。状況の良い面に感謝し、それを足場にしよう。いま重要なことに注意を払おう(『プレゼント』より)

ショコラさん縦
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どんなに前向きでありたくても、ときには人生はつらいことが起こるもの。そんなとき、人はどう行動するべきなのでしょうか。これに対して、『プレゼント』の老人は大人になった少年に「今この瞬間を大事にして、状況の良い面を見る方がいい」と答えます。

「この言葉もとても腑に落ちましたね。私が正社員の仕事を辞めて悩んだとき、『収入が減る』『裁量が減る』『立場が不安定』などと悪い面ばかり見ていたような気がします。でも、次第に『パートだから決められた時間だけ働けばいいから楽だな』『わからないことは上司に聞けば解決するし、責任の所在もはっきりして自分には負担がないな』などとよい面に目が向くようになって、心穏やかに暮らせるようになりました」

「現在」に集中して、今の状況の“良い面”を見つけて足場にすることで、満足感を得られる。そうした考え方は、仕事だけに限らないとショコラさんは続けます。

「この言葉は、夫婦間や子どもとの関係、将来不安など、あらゆるものに関して言えるんじゃないでしょうか。どんなものにも良い面と悪い面はある。だからこそ良い面を見つけて、それを足場にすることが重要なのかなって感じますね」

 

●4:確かに、未来に生きることは賢明なことではない。心配や不安にとらわれてしまうからだ。だが、未来への計画を立てることは重要だ(『プレゼント』より)

家計簿
※写真はイメージです

上記の言葉は、未来へ想いを馳せることを無駄だと感じるかつての少年に、老人が伝えた一言。「もともと過去のことはあまり振り返らないタイプだ」というショコラさんですが、昔から未来についていろいろと考えるタイプだったため、このフレーズは深く心に突き刺さったそうです。

「『こうなったらどうしよう』という未来への不安って、本当に尽きませんよね。ただ、あるとき私も新聞広告で『不安や悩みの9割は“妄想”から生まれる』という言葉を見てから、心配しすぎることをやめました」

でも、一方で、未来のことをなにも考えないのもよくないとショコラさんは語ります。

「『先のことなんて考えなくてもなんとかなるさ』と軽く考える人もいますが、『なんとかなるさ』は未来に関しては絶対にありえない。私の同世代の知人も『いまからマンションを買いたい!』と口にするのですが、お金の管理が苦手だったので貯金がないから家を買うことができない。もっと昔から計画していたら、少しは違ったはずなのに。過去のいやな出来事や未来への不安にとらわれすぎて現在を楽しめないのもよくないけれども、ある程度先の目標をもって計画することは必要だなと感じますね」

現在は、66歳パート社員として、平穏な生活を送るショコラさん。いま、幸せな日々が送れる理由は、「老後をどうやって過ごしたいか」を考え、きちんと計画を立てていたからこそだと続けます。

「いかに計画を立てても、未来はその通りにはならないものですよね。私も50代のときは『65歳になったら、仕事もやめて老後生活に入ろう』と思っていたんです。でも、66歳の今、まだ仕事を続けている(笑)。でも、『こうなりたい』という目標を立てつつも、現状と向き合い続けてきた結果、今がある。そんな毎日は満ちたりています」