いつ起きるかわからない災害。災害直後は家族と一刻も早く連絡が取りたいけれど、回線が混み合っていてつながらないというケースもあります。事前に家族で方法を話合っておくことで、慌てることなく適切な行動がとれるようになります。国際災害レスキューナースの辻直美さんにポイントを伺いました。

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Point1:災害前後にやることチェックリスト

「事前の備え」が不安ななかでも行動する力を与えてくれます。

防災メモをチェックする家族
防災メモを家族で共有して、いざという時に備えましょう。

 

●災害前

□家の中を360度見回す
□高い位置にある重いもの・割れ物を低い位置に
□お酒は下におろす
□家具は倒れないように固定する
□家電は飛ばないように固定する
□廊下をふさいでいるものを片づける
□玄関にものを置かない、靴をたくさん出しっぱなしにしない

 

家の中を360度見回して、「危ない」と感じたものがあれば対策を。高いところにある重いものや引火リスクのある酒を下におろし、家具の転倒防止策を。逃げる際にじゃまになるものは片づけて。どの靴を履こうかという一瞬の迷いが命取りになるので、靴はしまうこと。

 

●災害後

□揺れが収まったら玄関扉が開くか確認
□窓をあける
□家の損壊状態をチェック
□停電したら、燃えそうなものを片づけてブレーカーを上げる
□防災リュックを出す
□水をためる
□ツイッターか地域密着型のラジオで情報を取る
□家族に連絡を取る

 

揺れが収まったら避難路を確保し、在宅避難ができるか確認をします。停電していたら、通電したときの火災を防ぐため、ブレーカーを落とすこと。在宅避難を決めたら水をためたり防災リュックを出すなどの準備を始め、同時に情報収集と家族の安否確認を。

 

Point2:家族との連絡の取り方を決めておこう

災害直後は連絡が取りづらい状態になることも。むやみに電話をかけ続けると、バッテリーの不足も心配です。事前にしっかりと決めておくことが大切。

●連絡の取り方4か条

1:発災後、15分以内に一度連絡を取る
2:そこから連絡が取れるまで30分後、1時間後、2時間後、3時間後と連絡を入れるタイミングを決めておく(焦らない・バッテリー維持のため)
3:災害用伝言ダイヤル(171)を使用する
4:被災地から離れている実家や親せき宅を連絡先にして伝言をお願いする(三角連絡法)

<災害用伝言ダイヤルの使い方>

(1) 171にTEL
(2) ガイダンスに従い、録音の場合は1を、再生の場合は2を入力
(3) ガイダンスに従って、連絡を取りたい人の電話番号を入力
(4) 伝言を録音・再生する

頭で理解していても、被災時はパニックになるもの。NTTでは災害伝言ダイヤルの体験利用日を設定しています(毎月1・15日や防災週間など)。家族で練習をしておきましょう。

<被災地以外に住む人を中継地点にした「三角連絡法」>

イメージ図

被災地域から外へは比較的連絡が取りやすい傾向があります。遠方の親せきや知人に、それぞれが伝言を残し、連絡を取り合うことで、スムーズに無事を確認できます。