おうち時間が増えるなか、愛犬のために庭をリフォームしたいという人が増えているそう。2級エクステリアプランナーで、犬と住まいるコーディネーターの資格を持つ青柳友恵さんが、ペットにとって快適な場所にするためのポイント解説。囲いや扉の選び方、地面の仕上などについて教えてくれました。
すべての画像を見る(全7枚)庭でのゲージの役割をする囲いはフェンスがベター
最近は、愛犬のために庭をリフォームしたいという依頼が筆者のもとに増えています。筆者が携わってきた事例を交え、愛犬が快適に過ごせる庭づくりのポイントを解説していきましょう。
まず、愛犬のための庭づくりで大事なこと。それは、逃走の危険がなく安心して放し飼いできる環境です。逃走を防ぐことは、愛犬の安全確保のみならず、外界へ危険が及ぶリスクも減らしてくれます。
動物保護法でもペットの逃走を防ぐ義務が明記されています。ですから庭を設計するうえでも、非常に重要なポイントになっています。
庭の囲いはブロック塀や生垣などもありますが、フェンスの選択がベターです。高さや種類のバリエーションが多く、リフォームでの対応もしやすいこともメリット。
ただ、フェンスの形状によっては脱走やケガを誘発してしまう可能性があります。よじ登りやすい、爪がはさまりやすいタイプのものは避けるなど、フェンスの選択には、注意が必要です。通り抜けリスクがある縦格子とハイサモア系は、避けたほうがいいでしょう。
おすすめは、安価で定番のメッシュフェンス。なかでも最近はPCフェンス(パイプとひし形金網で構成されたシンプルな構造のフェンス)が人気になっています。
ただし、脚力のある犬種は横桟に足をかけて登ってしまう可能性があります。愛犬に合わせてベストな選択をしましょう。
高さは1.2m以上に。足元にも注意を!
犬種にもよりますが、1.2mは欲しいところです。助走できる広さがある場合は、さらに高さが必要です。
フェンスの高さだけではなく足元にも注意が必要です。穴を掘って脱走してしまう場合もあるので、フェンス下の基礎もしっかりとつくってください。
扉は引き戸を。それが無理なら内開きに!
庭の出入りに必要な扉(門扉)の選定もフェンスと同様の注意が必要です。ポイントは門扉の開き方。
犬はおりこうなので、門扉をあけることを覚えてしまう場合があります。そのリスクをいちばん軽減できるのが引き戸タイプ。犬にとって横に戸を引く動作は難しいので、可能であればこのタイプを選びましょう。開き門扉にするのなら、押し開けられないよう内開きで設置することが基本です。
こちらは、駐車場奥に約40㎡の愛犬のための庭をつくった事例です。ウッドデッキだけがあり、フレンチブルドッグとチワワの愛犬2頭が走り回れる、アメリカンテイストのお庭にしてほしいとのご要望でした。
高さ1.2mのPCフェンスと門扉を設置。助走がとれる広さはありますが、犬種の特徴を考慮すると1.2mあれば十分です。
ただ、穴掘りの危険はあるので、足元はコンクリートとブロックで固めています。門扉はもちろん内開きです。