残暑が厳しいこの時季、疲れやすい、いつも眠い、便秘、暑いのに冷え性…といった不調を抱えている方はいませんか? 薬やサプリに頼る前に、変えるべきはじつは「食べ物」や「飲み物」かもしれません。ESSEonlineでも人気の漢方コンサルタント、櫻井大典さんの最新著書『食う寝る養生』(学研プラス刊)の中から、今日から実践できる食べ物、飲み物の勘違いを教えていただきました。

関連記事

お好み焼きは漢方的に「完全食」!体が整う食事のとり方
「健康にいいから」と摂っていた食べ物が不調の原因に?
「健康にいいから」と摂っていた食べ物が不調の原因に?(※写真はイメージです。以下同じ)
すべての画像を見る(全5枚)

「水分・玄米・豆乳」のせいで疲れや不眠に?残暑の不調の思わぬ原因

なにかと不調が出やすい残暑のこの時季。サプリメントを探したり、流行りの食事法、健康法を聞いたらとりあえず試してみたりする人も多いと思います。

でも、櫻井大典さんによると、
「中医学では、“まずは食事と睡眠でなんとかしてみる”と考えます。薬はその後の話。健康に毎日を過ごしていくために肝心なことは、流行りの健康法や有名人のおすすめのサプリではなく、“あなたに合った食事と睡眠”なのです」

とくに「よかれ」と思って実践している食べ方、飲み方が不調を招いていることもあるそうです。
「ひとつの健康情報を知って、一度試してみることは悪くないですが、それがあなたに合っているとは限りません。試してみてどうかをきちんと観察しましょう。
様々な健康情報のなかには、『健康のためにはしない方がいい』とはっきり言えることもあります。今なにか不調を感じているなら、こんなことをしていないか、この2週間くらいの食事や飲み物の内容を、ちょっと振り返ってみてください」(櫻井さん)。

多くの人が勘違いしていそうな、飲み方、食べ方の勘違いを教えていただきました。

 

●「1日水2L」がかえって不調のもとになります

「『テレビで1日に水を2L飲むといいという情報を見たので、毎日がんばって飲んでいます』という方がとても多いのですが、それは美容や健康のためになりません。
水はもちろん大事ですが、とにかくたくさん飲めばいいというものではありません。飲み過ぎれば胃腸の負担になり、ひどいむくみや頻尿など、さまざまな不調の原因になるからです」と櫻井さん。

体にいいはずの「水」も摂りすぎると不調の原因に
体にいいはずの「水」も摂りすぎると不調の原因に

「さらに水の飲み過ぎで胃腸が弱れば、食べた物をきちんと消化できず、栄養も上手く体に吸収できなくなり、体を温める力や、血や栄養を体のあちこちに届ける力が弱くなってしまいます。その結果、冷えやすい、疲れやすいなどの不調を招くことにも。
巡りがよくなるどころか、過剰な水のせいで巡りにくい体になり、溜まった不要物がさらに巡りを妨げるという悪循環が起こるのです」

そこで、櫻井さんのおすすめの水の飲み方を教わりました。
「水は、のどが乾いたときに、常温のものを少しずつ飲みましょう。“1日に〇L”という風に、数字を考えて飲まないようにしましょう。
例外は、感覚機能が衰えてのどの渇きを感じにくくなる、高齢の方です。高齢の方の場合は、のどの渇きを感じる前にこまめに水分を補給しましょう」

また、水の量を気にするよりも、お菓子やアイス、ジュースなど、本来必要のないもの、冷たいものを減らす方がおすすめです。

 

●玄米が本当に合う人は少数です

「玄米は栄養価の高い食べ物ではありますが、食物繊維がとても多いため、食べる人を選ぶ食材です。食物繊維が多いということは、イコール消化しにくい、ということ。消化しにくいということは、栄養を吸収しにくい、エネルギーに変えにくい、体の一部に変換しづらいということです」と櫻井さん。

玄米

「ですから今あなたが健康な状態で、もっと健康になるために玄米を選ぶならよいのですが、胃腸が弱い人、便秘、下痢、食欲不振などがある人は摂らない方がよいですし、また、疲れやすい人や体力が落ちているときなどにも合いません」

胃腸はあまり強くないけれど、できるだけ健康にいいものを食べたい人は、なにを選べばいいでしょう?
「玄米と白米の間の“分づき米”にするのがおすすめです。どのお米の場合でも、しっかり噛んで食べてくださいね」