●年齢を重ねて変わっても、“最良”の自分でいたい
すべての画像を見る(全6枚)現在52歳になった水野さんですが、その美しさや女性らしいイメージは変わらないまま。そこで、水野さんに年齢を重ねるにつれて気をつけていることについて伺いました。
「意識としては、『がっかりさせちゃいけないな』という気持ちはあります。それは、“きれいなおねえさん”という形でいろいろ認知してもらって、そのときにみなさんに『すてきだね』『いいね』と思っていただいた自分がそこにあったわけですよね。
そこから大切に育ててもらった水野真紀というひとりの俳優が、52という年齢になって…それはもちろん私でもありますが、育ててもらったひとつの屋号(ブランド)でもあると思うので、私に関わってくださったスタッフや見てくださるみなさんをがっかりさせたくないという責任感はもってます」
そういった責任感もときには負担になってしまうこともあります。しかし、水野さんは「仕事をするのはそういうことでもある」と、語ります。
「独身時代と比べると、自分が決めた女優体重よりは若干増えてますが、それでもこれ以上は増えちゃダメって言う数値があって、それは守っています。人間は老いとともに変化していくしかない。それを『老化』といったり、たまに『劣化』というふうに言われたりもしますが…やっぱり変わっていくのは抗えないことです。でも、変わっていくなかでも最良の自分でなければいけないと私は思っています」
●お弁当は、自分や家族の将来を“つくる”
そして、年を重ねても「最良な自分」でいるために気をつけていることが日々の“食事”です。これは、『よいコンディションになるためには、どうすればいいのか?』ということを考えてたどり着いたもの。
「うまく消化されずに濁ったものが自分のなかに居続けるのってなんとなくイヤですよね。だから日々の体内の循環って大切だと思うんです。そのために食事にも気をつけていて、じつは20代の頃から現場に、自分で朝昼晩とたまに夜食分のお弁当をつくって持っていってました。
これはもちろん体のことを考えてもありますが、お弁当をもっていくことで、昼休憩の間に自分の時間がつくれたんですよね。人に会って気をつかうよりは、新聞やニュース見たほうが気楽だったので、自分を守るためでもありました」
毎日のお弁当づくりはやはり大変かと思いきや、水野さんは「お弁当づくりはそこまで苦ではないですね」と朗らかな笑顔でいい、その理由について教えてくれました。
「20代の頃に自分の弁当をつくっているとき『この食事が自分の5~10年後をつくる』と思っていました。なので今、子どもが食べているものは、『1~2年後の子どもをつくる』と考えています。将来のこの子をつくるんだなと思うと、栄養バランスはよくしようと思っています。
お弁当づくりで色は大切ですが、3色そろえばそれなりに見えます。たとえば、ブロッコリーは栄養バランスもよくて、そこにたまご(黄色)とトマト(赤)を入れればOK! トマトなしのときは、家に常備してるパプリカを焼いて入れたりしていますが、どれも大したことはしてないです(笑)」
調理師免許も取得している水野さん。その調理の過程を学んだことでわかったこともたくさんあります。
「私はグルメではないと思ってます。でも、お肉や野菜は国産のものにこだわって、素材の味を壊すようなことはしないですね。食べるべきものは食べるけど、そこまで手を加えてない。それは、いろいろ学んで調理の過程を見たからこそ分かったこと。そして、『家の料理』は状況によって、ごちそうをつくるよりも、家族のコンディションを整えるための食事であるべきなんだとそのときに悟ったんです」
●50代になって体感したこと
では、50歳を過ぎて気持ちの面で「変わったな」ということはあるのでしょうか?
「まだ30~40代の方は気づいてないかもしれませんが、年をとると作業効率が下がったりして、じわじわとおっくうになってきます。ものをしまったところとか覚えてたはずなんだけど、それを忘れちゃって探すのに時間がかかるなんてこともあって(笑)。50代になった今、『これからは捨てていって、生活をシンプルにしないといけないな…』と思っていますね」
年齢による変化を感じている一方で、水野さんはこれからの人生もポジティブに考えています。
「50代になってどんどん面倒なことが増えてくるなと体感していますが、でもそれと向き合って、その年にならないと見えてこない風景や景色はあると思うので、これからどういうものが見えるのか年をとるのも楽しみです」
そう語る水野さんのステキな笑顔はとても印象的で、前向きな将来を過ごすためにも、今できることをやるということは大事なことなのだと改めて気づかされました。年齢を重ねてもきれいで居続ける水野さんから今後も目が離せません。
【『今夜、世界からこの恋が消えても』】
原作:一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
監督:三木孝浩、脚本:月川翔 松本花奈、主題歌:「左右盲」/ヨルシカ(UNIVERSAL J)、音楽:亀田誠治
<出演>
道枝駿佑(なにわ男子) 福本莉子
古川琴音/前田航基 西垣匠
松本穂香
野間口徹 野波麻帆 水野真紀/萩原聖人