人生100年時代。老後の生活に不安を抱く人も多いのではないでしょうか。今年の4月に改正された年金制度の中身とは? ここでは、厚生年金やiDeCoの改正ポイントについてご紹介します。

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厚生年金に加入できるチャンスが拡大

年金制度はどこが変更したのか、紹介します。

<ココが変わる!>

・社会保険の加入対象の適用範囲が拡大され、短時間労働者でも厚生年金に加入しやすくなる

●パートやアルバイトでも将来、受け取る年金を増やせる

短時間労働者が社会保険に加入できる要件
※「これからの暮らし」vol.2(2022年5月発売)取材時点の情報です(以下同)

厚生年金に加入できるのは社会保険の適用事業所で働いている人のみ。さらに短時間労働者は、条件を満たさないと社会保険加入の対象外です。改正で社会保険の加入対象が拡大され、パートでも厚生年金に加入しやすくなりました。
厚生年金に加入すると、将来の受給額が増えるだけでなく、病気やケガで障害が残った場合、障害厚生年金の給付対象になることも。たとえば乳がんで乳房切除手術を受けて、障害厚生年金3級に認定されるケースもあるので病院で確認を。

iDeCoの加入年齢が引き上げられる

<ココが変わる!>

・iDeCoに加入できる年齢が64歳までに
・iDeCoの受給開始期間が60~75歳の間に

 

●50代からiDeCoに加入しても老後資金が増やせる

iDeCoで掛け金を積み立てることができる年齢が、59歳から64歳に引き上げられました※。積立期間が延長されたことで、50代でも、iDeCoによる老後の資産形成に間に合います。
たとえばiDeCoを65歳から受給し、老齢基礎年金の受給を70歳に繰り下げて、繰り下げた5年間をiDeCoでカバーする手も。70歳以降は増額した老齢基礎年金を生涯受け取れます。iDeCoと年金の繰り下げ受給を組み合わせれば、主婦でも“長生き安心年金”がつくれます。

60歳以降もiDeCoを継続するには、国民年金に任意加入するか、働いて厚生年金に加入する必要があります。

 

●iDeCoとは?

投資信託、保険商品、定期預金のなかから運用商品※を選んで掛け金を積み立てて、老後資金を備えるための制度。掛け金は月5000円から、1000円単位で選ぶことができる。

≪メリット≫

・受け取るときも税金が優遇される

分割で受け取る場合は「公的年金等控除」、一括で受け取る場合は「退職所得控除」の対象に。

・運用益が非課税で再投資される

運用で得た利益は税金を引かれずに再投資されるので、資金が増えやすくなる。

・掛け金が全額所得控除になる

掛け金は全額その年の所得から引かれるので、所得税と住民税が安くなる。

 

≪デメリット≫

・専業主婦は所得控除のメリットなし

収入がない=課税所得がない場合は、掛け金の所得控除は受けられない。

・加入や掛け金納付に手数料がかかる

加入時に2829円、掛け金納付時に毎回105円の手数料がかかるほか、金融機関の口座管理手数料も。

・原則60歳まで引き出せない

加入期間10年以上で60歳から受給可能。加入期間が10年に満たないと、さらに遅くなることも。

運用商品によっては元本割れする可能性があります。

老後の年金を受け取る際は、国民年金は「老齢基礎年金」、厚生年金は「老齢厚生年金」といいます。

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