キッチンに立つ人が、壁に視界をさえぎられることなく、ダイニングにいる家族の様子がわかる。そんな理想のキッチンをつくるために、日刊住まいライターが施工会社と考えたこと、採用したレンジフードについて語ります。合わせて、5年暮らして感じた使い勝手や手入れの手間についても。はたして、問題の油はねの結果は?

キッチンとダイニングの様子
キッチンに立つ人の目をさえぎる壁はない
すべての画像を見る(全11枚)

コンロの前に壁がないキッチンを使って5年、感じたこと

開放感あふれるナチュラルなカウンターキッチンにあこがれて、5年前に家づくりをはじめた筆者。「アイランドキッチンかペニンシュラキッチンにしたい」と工務店と相談したものの、予算や家の広さを考えると手が届きません。

そこでI型キッチンで、どうにかできないか検討することに。結果、できあがったのが写真のようなっキッチンプランです。

特徴は、コンロの前に壁がなくて、とても開放的なこと。そして、腰壁があることで作業をする手元のごちゃごちゃした様子が目隠しされていること。

家が建って5年、念願かなって実現したカウンターキッチンについて、感じたことを紹介します。

 

●カウンターへの油はねはあるが、対策は簡単

揚げ物をする様子

わが家が揚げ物をする頻度は週に1、2回。そのほかは、炒め物や煮物などの家庭料理です。それでも、予想していたとおりカウンターへの油の飛び散りはあります。

 

油はね防止ネットを使う様子

そのため揚げ物をする際は、油はね対策が重要です。これまでいろいろと試行錯誤してきましたが、今は、油はね防止ネットの効果が高いと感じ、これを採用しています。

 

●コンロ前に壁がない代わりに、腰壁がいい仕事を

カウンターへの油の飛び散り

揚げ物の後のカウンターへの油の飛び散りは、写真のように小さい油の粒がつく程度。コンロ前に壁がない代わりに、腰壁が補助的な役割をしています。油のはねがダイニングまで届くのを防いでいます。

 

手元隠しの壁

キッチンで作業する人の手元の目隠しをしつつ、ダイニング側とのつながりも感じさせてくれるところも気に入っています。わが家の場合、手元隠しとなる部分の高さは約18cm。もちろんこれは、事前に設計士と相談して決めました。

 

●手入れは思っていたほど大変ではなかった

木製カウンラーの手入れ

油はね対策と腰壁の効果もあり、日々行っているお手入れは、コンロの周囲と木製カウンターの上をウェットティッシュでふきあげる程度。ガラスパネルのカウンターにありがちな、水アカや割れる心配も不要です。心配していたカウンターの油のこびりつきや変色も今のところありません。

 

●壁面の汚れは思っていたより少なかった

壁への油はねの様子

隣接するダイニングの壁の油汚れも気になっていました。しかし、この5年使っていて、ほんの数か所シミがある程度。思っていたよりも油は届いていない印象です(もちろん、お料理の頻度や内容によって、今後は変わってくるはずです)。

 

●煙のもれもほとんどなし

サイドフード

わが家が採用しているサイドフード(壁に対して横づけするタイプのレンジフード)は、なかなか優秀のよう。強い吸引力のおかげで、炒め物や煮物などの日常の料理では、煙や湯気がダイニングまでもれることはありません。不快に感じることはほとんどなし。

強火で肉を焼くと、部屋中に煙が充満することはありますが、これはどのレンジフードでも同じと思いあきらめています。

 

●見晴らしがよくコミュニケーションがとりやすい

キッチンからダイニングを見る

やはり、コンロの前に壁がないと、見晴らしがよく開放感があります。料理をコンロの前のカウンターに置けるので、皿の受け渡しもしやすいというメリットも。

なによりも、コンロの前で料理しながらでも子どもの様子がしっかり見え、リビングの家族とスムーズにコミュニケーションがとれるのがうれしい。

コンロの前に壁がないデザインにしたことで、I型でも開放感あふれるナチュラルな理想のカウンターキッチンが実現できました。