●オンラインでコーチと繋がれるコミュティづくりも重要

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とはいえ、保護者の声から導入に至るまでにはそれなりに時間がかかってしまうはず。そうした現実も踏まえて、鈴木先生をはじめとしたMinecraftカップ全国大会運営委員会では、マイクラの“学びのコミュニティ”を今年からつくっていく予定なのだとか。

「私たちは利潤目的ではなく純粋にソーシャルムーブメントを起こしたいので、塾やNPOを含めボランタリーに講師をしてくれる人のネットワークをつくり、その講師をオーガナイザーとして地域地域の“学びのコミュニティ”をつくっていく形にできたらいいなと。リアルとオンラインの両方で同じように学ぶことができるシステムにすれば、必ずしも住んでいる地域にコミュニティがなくても学ぶことができますしね」

どこにいても気軽に学べる環境があれば、確かにマイクラを始める人もハマる人もどんどん増えていきそうです。

「このように教育現場と民の力の両方から攻めて、『Minecraftカップ』の応募者が2倍3倍になるくらいマイクラでの学びに夢中になる子どもが増えるのが目標です」

●ユーチューバーなどからも「楽しく学ぶ」が広まってほしい

マイクラは大人気コンテンツだけに、攻略本『まいぜんシスターズとマイクラを遊ぼう!』(扶桑社ムック)がベストセラーとなったまいぜんシスターズのように、マイクラのゲーム実況や攻略動画を投稿するユーチューバーもたくさんいます。鈴木先生は、こういったユーチューバーの活動にも大いに期待していると言います。

「“楽しく学ぶ”という姿勢が広まるのは大事なことなので、ユーチューバーのお兄さんお姉さんがマイクラに夢中になっている姿を見るのはとてもいいことだと思うんです。だって、面白そうにやっていないものは面白そうとは誰も思わないじゃないですか。たとえば、まいぜんシスターズさんの動画はマイクラでの遊び方が子どもの心を掴むようにできていますけど、それ以前に本人たちが夢中になってマイクラを楽しんでいるところがいいんですよね。そういう夢中になってるオーラに触れて、どんどん夢中になってほしいんです」

夢中になればなるほどマイクラで遊ぶ時間は増えるはずですが、そこも大きなメリットなのだそう。

「何かを体系的に学びマスターしていくには、どれくらいの時間をかけたかもポイントになります。何事もまずは3000時間やってみて、次は10000時間やる…という具合に。途方もなく感じるかもしれませんが、学校教育がたかだか年間800時間なのに対し、日本の子どもがディスプレイの前に座っている時間は平均1500~2000時間もあります。つまり、学校でマイクラが導入されたとしても、家庭においてマイクラで学ぶ時間を増やすことも重要で、そのためのコンテンツとしてユーチューバーはとてもマッチしているんですよ。動画に夢中になってハマっていけば、簡単にたくさんの時間を確保できますからね」

やる気のない子どもに「勉強しなさい!」と小言を言い不毛な対立を繰り返すよりも、マイクラに任せてしまったほうが親もラクですよね。放っておいても子どもが取り組んでくれるマイクラに感謝しつつ、暖かく見守れるようになりましょう。

攻略本の最新刊『もっとまいぜんシスターズとマイクラを遊ぼう!いたずら編』(扶桑社刊)は6月30日発売予定です。

 

もっと まいぜんシスターズとマイクラを遊ぼう! いたずら編

子どもたちの間で知らない子はいないほど大人気のYouTubeから生まれたキャラクター「まいぜんシスターズ」。マインクラフトの基本的な遊び方をわかりやすく解説します!
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