変化するライフスタイル。「未来を見据えた住居選び」の難しさ
家族構成やライフスタイルが変われば、最適な住居形態も変わっていきます。とくに近年はコロナ禍による新しい生活様式が推奨されるなどの大きな変化がありましたよね。
●感染対策にリモートワーク…。予期せぬコロナ禍で変化した暮らし
「一戸建てなので、コロナ禍で家庭内感染を防ぐのに別の階で過ごせることのよさを痛感しました」(神奈川県・50歳)
「注文住宅の小さな平家に住んでいます。廊下のない間取りで、生活導線がスムーズな設計です。ただ、夫婦そろってリモートで在宅勤務になることまでは想像できていなかったので、友達や両親を気軽に呼べず…。ちょっと困っています」(愛知県・33歳)
家族にコロナの感染者が出た場合、部屋数が少ないと、家庭内隔離が難しいケースがあるとニュースなどでも話題になっていました。またリモート会議を想定した間取りになっていない場合、コロナ禍で仕事スペースの確保に苦労したという人も。
●子育て世代は戸建て?マンション?
すべての画像を見る(全5枚)「マンションは同じマンション内の子ども同士で遊べるのが利点。悪い点は、私が子どもを怒鳴っているときにマンションの子どもに見られ、何年経っても怖いオバちゃんと思われている点」(東京都・50歳)
「一戸建ては自分好みの設計ができるのでおすすめです。庭で水遊び、花火、バーベキュー、家庭菜園もしていて、公園に行かなくても子どもを遊ばせられます」(岡山県・40歳)
子どもが小さいうちは、一戸建てで思いっきり遊ばせてあげられることにメリットを感じている人がたくさんいました。しかし子どもは成長します。いずれ出て行ってしまう可能性も視野に入れておいた方がいいかも…。
●一戸建てを買ったときと状況が変わってしまった
「12年前に購入した建売戸建て。子どもが小さい頃は、絶対にリビングに続いた畳の部屋が必要だと思っていましたが、今は2階に各自の4部屋ほしかったと思っています」(神奈川県・47歳)
「主人が一戸建て希望だったので建売の一戸建てを11年前に買い、住んでいます。子どもたちも大きくなってきて一人暮らしを始めたりすると二階はあまり使わなくなるので、マンションでもよかったかなと思っています」(宮城県・45歳)
子どもが独立し、家に親だけが残った場合、管理や掃除が大変になったというケースは少なくないようです。固定資産税もばかにならないし、老後はコンパクトなマンションに住み替えようと計画している人もいました。
●自分好みの暮らしを思いっきり楽しむ住まい
「一軒家は、ガーデニングなど庭を自由にカスタマイズ出来ることが気に入ってます」(岐阜県・49歳)
「庭で周りを気にせずバーベキュー。夫の趣味であるDIYスペースを確保できます」(埼玉県・49歳)
自分の趣味を思いっきり謳歌したい人にはやっぱり一戸建て! キャンプやウインタースポーツ、自転車などの場所をとる道具が多い趣味を持っている人は、マンションやアパートだと収納がたりないという声も。
●マンションならではの景観が癒やしに
「最近マンションに引っ越しました。高台と12階で夜景がきれいでお気に入りです」(大阪府・35歳)
「マンションだと騒音で自他共に気を使うのが辛いところですが、町内会や子ども会の参加が任意なので入らず、ご近所づき合いフリーで快適です」(神奈川県・39歳)
部屋からの眺望を重視している人には、マンションの高層階が人気でした。場所によっては花火や富士山が見えたりするなど、思いっきり非日常な開放感や癒やしに浸れるという声も。
●老後に注目!フラットな生活空間
「フラットなマンションが、老後もラクだと思います。現在1階ですが、重たい荷物を運ぶとき、忘れ物をしたとき、大地震で直ぐに逃げたい場合を考えたら1階でよかったと思うからです。庭があるのでガーデニングをしたり、夏はプールを広げたり、気分転換になるのもよいですが、台風などの大雨、津波のときが心配です」(神奈川県・52歳)
「土地と金銭面に余裕があるなら平家に住みたいです。家事の面で一階のフロアですむからです。あと自分が年齢を重ねたとき、老後の生活のしやすさがあるから」(千葉県・36歳)
足腰が弱ると、家の中の階段は体の負担になります。部屋数も荷物も最低限に減らしたフラットな住居への注目度は高そうな様子。
将来、自分がどのような暮らし方をしているか、なかなか思ったようにいかないのが現実。そこに住居選びの難しさがあるように感じました。