季節の変わり目に、疲れが抜けない、朝つらくて起きられない、顔色が悪い…そんなお悩みを抱えていませんか?
「この時季に起こりやすい、鉄分不足が原因かもしれません」と話すのは、管理栄養士の亰須薫さん。

鉄分不足が起こるメカニズムと、普段の食事で鉄分を取り入れるテクニックについて教えてもらいました。

夏の終わりは鉄分不足に注意!疲れが抜けにくくなることも

夏の終わりは鉄分不足にとくに注意しましょう
夏の終わりは鉄分不足にとくに注意しましょう
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熱中症の原因として、汗からナトリウムなどのミネラルが失われることは常識になりましたが、鉄も同様に、汗と一緒に体の外へ出て行ってしまいます。

「汗をたくさんかいた夏の終わりは、身体に蓄えられていた鉄分が少なくなって、疲れが抜けない、朝つらくて起きられない、顔色が悪いなどの体の変化がみられることがあります」

鉄不足を解消するには、3つのポイントがあります。

・鉄が多い食品を取り入れる。
・1日3食を基本にし、欠食しない。
・鉄の吸収を高めるためにバランスよく食べる。

●レバーや大豆、卵の黄身…鉄分が多い食品はこちら!

鉄は赤身の肉や魚、レバー、納豆などの大豆製品、卵の黄身、シジミやアサリなどの貝、ホウレンソウやモロヘイヤなどに多く含まれます。

「肉、魚は、赤みが濃いものは鉄が多い傾向があります。牛の赤肉やマグロの赤身は代表的ですね。また鉄が多い食べ物の代表といえばレバー。豚レバー、鶏レバー、牛レバーの順に鉄が多くなります」

レバーの唐揚げ

苦手な人も多いレバーですが、くさみを取る工夫をするとおいしくいただけるそう。

「独特のくさみをとるには、冷水につけたあと、白い脂肪や余分な血の塊を取り除きます。私の運営するお総菜店では、一口大に切った鶏レバーをしょうゆ、酒、ショウガ、カレー粉を合わせた液に漬けて揚げた“から揚げ”に。こうするとにおいもあまり気にならず、食べやすくなりますよ」

●主食にかたよりがちな人、小食な人は要注意

鉄は、パンやご飯のような主食よりも、おかずに使われるような食材に多く含まれます。
「主食にかたよりがちで、おかずが少ない食生活を続けていると、鉄不足になる可能性が高くなります。また、少食(欠食を含む)の人も鉄が不足しやすい傾向があります」
たとえバランスに気をつけていても、そもそもの食事量が少ない場合、鉄が不足してしまうことも。

「鉄は2つのタイプがあり、肉や魚に含まれる鉄(ヘム鉄)の方が、植物性の鉄(非ヘム鉄)よりも吸収率が高いので、1日のうち2食は肉や魚を手のひら1枚分はとるようにしましょう。加えて、野菜に含まれるビタミンCは鉄の吸収を助けます。鉄不足を防ぐには、まんべんなく、欠食せずに食事を整えるのがおすすめです」

食事を変えても不調が長く続く場合は、医療機関の受診をしてください。