「新時代の理想のリーダー」として、幅広い世代から支持を集めるラッパーのSKY-HIさん。2年前にはレコードレーベルを立ち上げ、自身がCEOに就任。現在は、7人組ボーイズグループ・BE:FIRSTのプロデューサーとしても、新たな一面を開花させています。

新時代のリーダー・SKY-HIさん。「親子は人生をともにする仲間である」

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そんなSKY-HIさんが、今年4月に初の自伝的著書『晴れるまで踊ろう』(扶桑社刊)を発売。そこで、今回は、新たな才能を育てる秘訣や本作を出版した経緯などについてお話を伺いました。

●重要なのは「なんでダメなのか」を具体的に説明すること

BE:FIRSTのプロデューサーとしても活動するSKY-HIさんは、若手に対する論理的なアドバイスや、相手を尊重した言動の数々が、「理想の上司」「次世代のリーダー像」などとの評判も高まっています。

若手アーティスト育成でも意識しているのが、相手がやってはいけないことをしたら、ただ「ダメだ」というのではなく、「なぜダメなのか」を具体的に説明すること

「なぜなら、僕自身が納得できないと落ち着かない人間なんです。物心ついたときから、疑問やモヤモヤがあると、『なんで?』『なんで?』と質問し続けていました。いまも、僕の心の中では、永遠の3歳児がずっと『なんで?』と言い続けているんです。なので、子どもや若手の疑問にもきちんと向き合いたいですね」

相手とよい関係を育むため、SKY-HIさんが日々意識するのは「年上だから」「年下だから」という枠組みをもたないことだとか。

「僕は、BE:FIRSTのメンバーに対しても、『自分が育てている』という気持ちはないんですよ。なぜなら、年齢って、生まれたタイミングの違いだと思っているからです。僕が彼らよりも早く生まれた分、自分がもっている知識や経験が多いので、それをただシェアしているという感覚が強い。この考えは、子育てにも通じる部分があるかもしれないですね」

もしSKY-HIさん自身が、仮に子育てをするとしたらどんなことを意識されるのでしょうか?

「子どもがなにかに知的好奇心を示したら、それを後押ししたいので、文化芸術に触れるきっかけをつくりたいですね」

●母のすごさを感じたのは30代になってから

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10代の頃からアイドルやラッパーとして活動し、著書『晴れるまで踊ろう』の中では、達観した人生観も多々語っています。果たしてその幼少期はどんなものだったか、教えてもらいました。

「よくも悪くも、親には放っておかれることが多かったですね。僕には6個上と2個上の姉がいて、3人も子どもがいるのに、父がほとんど家に帰れない職種だったので、母はワンオペ育児状態でした。さらに、姑と二世帯住宅に住んでいたので、それは忙しかったと思います。だから、逆に両親からは自由にさせてもらったなという想いが強いんです」

現在は、「家族同士で毎日LINEをやりとりして、盛り上がるほど仲がよい」とのことですが、30代になってから、母親への感謝をより一層強く感じるようになったそうです。

母がすごいなと思うのは、僕が父を嫌いになるような言葉を一切言わなかったことです。ワンオペ育児でパートナーの愚痴を言いたいだろうに、母は子どもたちにはその想いを一切出さなかった。これはすごいですよね。でも、そんな母のすごさに気がついたのは、30代になってからなんですよ。10代、20代の自分は母の配慮に無自覚だったことが、いま思うと猛烈に恥ずかしいですね…。今では、家族への愛情や感謝は声を大にして伝えていくようになりました

そして、SKY-HIさんは「親子は人生をともにする仲間である」とも語ります。

「親子って、あらゆる関係性の中でもいちばん深い縁じゃないですか? 親は子どもを選べないし、子どもも親は選べません。でも、その縁で巡り合ったのであれば、お互いに出逢ってよかったと思える関係を築きたいです。最終的に家族関係っておそらく、その縁の深さがあるからこそ、終わりよければすべてよし。ということのようなものだとは思います」