●あえて切り替えないのがマルチタスクのコツ

SKY-HIさん
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アーティスト、プロデューサー、社長。多面的に才能を開花させるSKY-HIさんですが、気になるのが、マルチタスクをこなすうえでの日々の気持ちの切り替え方法です。ESSE online読者も、仕事、家事、育児…などマルチタスクの切り替えに悩む人が多いですが、SKY-HIさんのやり方は、「あえて切り替えないようにしている」とのこと。その真意とは?

「プライベートでも仕事でも、僕はずっとアーティストであり、社長であり、一人の人間だと思っています。だから、あえてシチュエーションによって気持ちを変える必要はないのかなって…。実際やってみると『これがいちばんラクだな』と思います。

僕の場合、いま忙しすぎるのもあるんだけど、『今日はNetflixでアプレンティスを見よう!』とオフを決めても、仕事が気になって、20分も経過したらSlack(※仕事の連絡に使われるチャットツール)をチェックしてしまうので、オン・オフをつくっても、あまり意味がないんですよ(笑)」

●自分の経験をセーブしたいから、本を出した

著書
著書『晴れるまで踊ろう』(扶桑社刊)

そんなSKY-HIさんの著書『晴れるまで踊ろう』では、AAA時代から抱えてきた仕事や音楽への想いが多々綴られています。本を出すきっかけは、会社の社長になったことが大きかったのだとか。

この本をつくったのは、端的に言うと自分のためです。2年前に新たなレーベル会社であるBMSGを立ち上げ、社長になってから、僕自身の物事への感じ方が大きく変わってきました。そこで、ゲームでいうセーブポイントみたいに、『記憶が鮮明なうちに、いまの自分の記録や考え方を残しておくことが重要なんじゃないか』って思ったんです」

本書の中では、「どんなに相容れなかったり嫌いだったりする人でも、それを変えてやろうとか、なんとか解決してやろうとかしないで、まずは許容する」「そのままの自分を愛する。そのままの自分を褒める。そのままの自分のファンになる。それが、やがて本物の自信へと発展する」など、会社員から主婦まであらゆる人に通じる人生哲学がつめ込まれています。

「『理想の上司』などと言ってもらえることも多いけど、僕は、自分が正義の化身だとはまったく思ってないんですよ。でも、問題があったら提起して、改善する姿勢は大切にしたい。そんな僕の考えていることを、この本の中にはつめ込んでいます。その内容が、現状に苦しみながら頑張っている誰かのために、もしも役に立つならうれしいです。今後も、“早く行くなら一人で行け。遠くに行くならみんなで行け”の精神を大事に、多くの人と一緒に前に進んでいきたいですね」