56㎡の1LDKを2LDKにリノベーションした事例です。部屋数を増やしたのに、LDKには楽器演奏を楽しめるスペースも。ビアバーみたいなキッチンがあったり、ベンチとしても使えるリビング収納があったり。スタイリッシュなうえに、とにかく暮らしやすい工夫がつまった、30代夫婦と子どものための住まいです。
すべての画像を見る(全19枚)広さよりも立地を重視。限られた空間をリノベで快適に
●この家のプロフィール
- ・Kさんの家 東京都
・家族構成:夫30代 妻30代 長女2歳
・築年数:49年(1973年築) 専有面積:56.25㎡
・工事費:890万円(税込み・設計料別)
・設計・施工:nu(エヌ・ユー)リノベーション
LDKに入ると造作のキッチンカウンターが存在感を放つKさんのお宅は、アクセスのいい都心に建つヴィンテージマンション。広さよりも立地のよさを重視して選びました。
「限られた空間の中でも、プライベートな部屋は欲しいと思っていました」(夫)というKさん夫妻が重視したのは、空間の用途と動線。各部屋の役割を明確にしながら、必要な広さを考えて、1LDKの間取りを2LDKに。いちばん過ごす時間の長いLDKはゆったりとさせながら、2つの個室も実現しました。
また、生活感を出さないことも重視していたと言います。夫妻がとくにこだわったのは収納。リビングには長さ約6mのベンチ収納、玄関には大容量の壁面収納を設け、ほとんどを「隠す収納」に。約56㎡というコンパクトな住まいでありながらも、家族で使える収納を十分につくることで、空間をすっきりと保つことができています。
「この先長く住み続けても飽きのこないデザインにしたかった」(夫)と、天井や壁はコンクリートのテクスチャーを生かしたシンプルモダンな内装に。ハンギングされた観葉植物や、飾り棚に並べられたユニークなラベルのお酒など、各所にセンスよく飾られた小物が、室内に彩りを与えています。
休日は家族そろって近隣の公園や美術館に散歩に行ったり、リビングで楽器の演奏を楽しんだりすることもあるというKさん夫妻。日々の暮らしを楽しんでいる姿が印象的です。
Kさん宅のコンパクト克服のリノベポイント
1.使いたいときは扉を開くだけ!家族の楽器スペース
夫妻の希望でつくった楽器スペース。リビングの一角にある引き戸の中に、妻の電子ピアノと夫のギターがきれいに収納されています。
使用しないときは扉で隠せて、使いたいときはすぐに手に取ることが可能。
2.収納の位置を工夫し、2つのプライベート空間を実現
寝室にしっかりと収納を確保。また、楽器スペースもその近くに集約させることで、省スペースながらも十分な収納量を実現。
また、子ども部屋にも収納スペースを確保。LDKの広さを確保しつつ、プライベート空間を2室つくることができました。
3.収納力とくつろぎをかなえるベンチ収納
必要な小物類がしまいやすいように、既製品をカスタマイズしたリビング収納。さっと腰かけるのにもちょうどいい高さなので、ベンチとしても活躍。
ベンチの中には本も収納。LDKに収納とくつろぎの場のふたつの役割を持たせることで、空間の有効活用につなげました。