・家の中には「片づける順番」がある
「ものを無理なく減らすために、片づける順番があります。それは、(1)玄関(2)クローゼット(3)キッチン(4)リビング(5)洗面所・浴室(6)押し入れ・納戸です。まだ、片づけに慣れていないときに、写真やアルバム、子どもが昔つくった工作、亡くなった母の形見など、思い入れがあるものから始めてもうまくいきません。それよりは、玄関の傷んだ靴、壊れた傘、キッチンの賞味期限切れの食材など処分しやすいものから始めるのが大切。片づけに慣れてきたら、最後に押し入れや納戸の思い入れのあるものに着手。“片づけ力”がついているので、ラクに要不要に分けることができますよ」
すべての画像を見る(全6枚)この順番は、講座の受講生さんの意見を反映したもの。阿部さんは、クローゼットの前に洗面所にしたほうがいいと思ったようですが、受講生さんから「一番のストレスのクローゼットを早めに解消したい」との声が。一番目の玄関で片づけの基本がわかったあとの、二番目にクローゼットにしたそうです。
「クローゼットは少し難易度が高いけれど、ここをクリアできれば、片づけのやる気がアップ。家じゅうがラクに片づけられます」と阿部さん。
・残すものの数や年数など、具体的な数字を決める
「著書のタイトルにもなりましたが、私は、ハンカチは5枚だけ持つと決めています。でも、これは私の場合なので、人によって違う数でいいと思います」
他にも、3年履いてない靴は手放す、5年着ていない洋服は手放す、食品の保存容器は5個に厳選するなど、具体的に決めると手放しやすくなります。
そして、さらに、実家の片づけのポイントも紹介します。阿部さんも、「実家の片づけがうまくいかない」というご相談を受けることが増えてきたと言います。ものがない時代に育った親世代は、なかなかものが手放せないようです。
・まずは、家にある自分のものから片づけ始める
学生時代のものが残っていませんか? スッキリした部屋を親御さんが見たら、「私もやってみよう」と思うかもしれません。
・親の生活を心配していることを伝える
うまくいかないとつい喧嘩ごしになってしまいますが、「つまずいて怪我をするのが心配」など、毎日の生活を心配していることを伝えます。
・親子で役割分担をする
ものの要不要を判断するのは母、いらないものを袋に入れてゴミ置き場に移動するのは子など、役割分担をするとスムーズです。
もちろん、最初からうまくいくことはありません。
「お互いの体力を考えて、1回の作業は3時間以内としましょう。引き出し1個でもスッキリしたら、親御さんを褒めながら少しずつ進めてみてください」と阿部さん。
そんな阿部さんの片づけメソッドの詳細は、『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎刊)をご覧ください。