一方的に秘密を打ち明けてくる「君だけにさん」

君だけに
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ご近所さんやママ友との会話で「あなただけに話すんだけど…」と、一方的に秘密を打ち明けてくる「君だけにさん」。自分のことを信頼してくれているようでうれしいけど、一緒に重荷を背負わないといけなくなった。それだけでなく、暗に「私は腹を割ったんだから」という圧を感じて、自分の秘密まで打ち明けるように迫れている気がする…。

石川さんは、「ヒトは個体として生きているからこそ、秘密を共有しようとするのです」と話します。

「狩猟・採集時代は集団で生き延びるという選択をして、入手した情報や獲物は全員のものだったため、『秘密』というものは滅多に存在しなかったと考えられています。ところが個人という概念が形成した現代では、秘密を共有することで『親密な関係』を形成しようとする本能が働いているのです。

だから、『君だけにさん』のように一方的に秘密を打ち明けられると、仲間であることを強要され、秘密の管理をしなくてはならないことに負担を感じてしまうのです」

 

●気楽につき合うには「秘密は聞かない」という選択も

女性2人

一度でも秘密を打ち明けられたら、あなたにそんな気がなくても、相手と密な関係を結ぶことになります。もし負担のない人間関係を構築したいと考えているなら、「『秘密は聞かない』という選択をしたほうが気楽につき合えることが多いです」と、石川さんはアドバイスします。

「一方的に秘密を打ち明けると、相手はあなたのことを絶対的な味方だと思い込むので、そうでないことがわかると勝手に逆恨みされるケースもあります。ですから、秘密の共有を求めてきそうになったら、『あなたとは長くつき合っていきたいので、その話はまた今後にしましょう』などと断って、きちんと意思表示をするようにしましょう」

 

●現代に合わせて「いい人」の定義を更新することが大切

石川さんは、このようにも話します。

「私たちはだれもが多かれ少なかれ、太古の時代に身につけた本能や特性をアップデートしきれずに、生きづらさを抱えています。今回紹介したような人たちのことを『面倒くさい』『煩わしい』と疎ましがるのは簡単ですが、いつあなたもそう思われてしまうかもしれないことも心に留めてもらいたいです」

現代に合わせて『いい人』の定義を更新することも、モヤモヤを解消するためには大切なのかもしれませんね。

 

今回ご紹介した以外にも、石川さんの最新刊『いい人なのに嫌われるわけ』(扶桑社)では、「クソバイスさん」「激推しさん」「気遣いさん」など、あなたの身近に必ずいる「いい人なのに嫌われてしまう人」を17タイプに分類して紹介しています。

それぞれのタイプへの対処法だけでなく、もしも自分がそうしたタイプだった場合の解決法についても掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。

いい人なのに嫌われるわけ

「いい人」のはずなのに、なぜか人をモヤモヤさせて嫌われてしまう人、あなたの周りにもいませんか? そんな人間関係の謎を、進化心理学の専門家である著者が「サルからヒトへの進化」「狩猟・採集時代から文明社会への変化」という視点から解き明かします。
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