海水浴場を出て、漁港と北ノ浜公園を周回した。かなり広大な散歩スポットで、地元民らしき人と犬のペアを二組見かけた。黒柴と茶色いプードル。

歩く犬
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見つめる犬

さきほどの猫が積み重なった消波ブロックへと移動していた。消波ブロックを渡り歩く猫の足取りは軽い。

見つめる犬

犬は堤防にそっと手を掛け、消波ブロックに鎮座している猫を見上げた。

乗り上げる犬

この日出会った猫はみな平常心で落ち着いていて、シマの主である風格が感じられた。「ぼくは生魚食べへんよって言うときよ。」と、母が犬に促していた。

淡嶋神社にも向かった。境内で犬は抱っこの必要があり、外で母と交互に待機して参拝した。帰る前にふたたび海に寄ると、犬が掘った砂山にはすでに真新しい風紋が出来ていた。

砂浜にできた犬跡
鳥の歩いた道すじも増えていた
あたたかい水

水の中あったかいわ」ふいに母が手のひらを海水に浸して言った。

犬と海

犬は季節関係なく川に入りたがるのに、この日は入ろうとしなかった。場所見知りか、それとも冷たいのかを確かめたらしい。今一度、母が波を撫で「あったかい」と笑った。その手を犬は凝視し、鼻を寄せた。

海辺を歩く犬

するとスゥーっと海に向かって歩いていき、入っていってしまった。波音もたてず。まるで水鳥が水面に戻っていくように自然だった。

海を走る犬

浅瀬で少し波と戯れると、達成感を得たようないい表情で上がってきた。

振り向く犬
おうちに帰ろうか