●私にとっては2つの暮らしを持つことがベスト

数週間を愛媛で過ごし、東京に戻る。飛行機からぎらぎら輝く夜景が見えて、ようし書こうと思える。愛媛にいると、畑に夢中になりすぎて全く書けない。昼間に働いて夜に書こうと思うけど、お風呂に入ったらもう眠たくなってしまって、快眠というか爆睡。健康な日々だが、私は作家でもい続けたい。

二拠点を行き来する生活が今の私の答えだ。どちらかに根を張って生きることが、理想ではあるけれど、今の自分にはこれがベストなのだから、それでいいなと思う。

 

久々に夫に会って、夜中までお酒を飲みながら近況を話す時間も楽しい。夫も、出張が続いてあまり家にいないので、会うのは月に数日である。それぞれにやりたいことに夢中だから、その数日を大切に過ごせば十分だなと思う。このくらいの距離感が私達にとって丁度いい。

会わないからといって思いやりがなくなるとか、そういうことでもなく、むしろその逆のようにも思う。互いを応援していたいし、困ったときは助け合いたい。夫婦がチームの場合もあれば、個々の場合もあってもいいんだ。互いに、憧れていたいなと思う。

 

東京へ戻る頃、またコロナが広がってきて「もうしばらくこっちにいたら?」と家族に引き止められながら、やっぱり私は東京へ戻ってきた。鍬(くわ)を鉛筆に持ち替えて、私には書く時間も必要だ。自然が教えてくれることもあれば、渋谷や新宿で人を観察して思いつくこともある。家にこもって書く時間もまた充実した暮らしの柱である。