「凹凸が気になる」「隙間があいている」…。目に入る面積が広いため、施工後の不具合が気になりやすいのが、壁や天井のクロスの仕上がり。職人の技術の差が出やすい部分ではありますが、下地の状態やクロスの種類によっても仕上がりが変わってきます。また、人の手による作業なので、完璧な仕上がりを求めるのは難しい部分であるのも事実。といっても、せっかく貼り替えるのであれば、気持ちのいい仕上がりであってほしいものです。リフォーム会社勤務経験のある日刊Sumaiライターが、後悔しないクロス選びのコツや、施工後のチェックポイントについて紹介します。

クロスを貼る職人
クロスは目に入る面積が広いので、ちょっとしたことも気になってしまいがち
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リフォーム向きのクロスは、どんなタイプ?

リフォーム後の室内のイメージ

リフォームに向いているクロスとは、ずばり「厚手」で「凹凸などの模様のある」クロスです。

通常クロスの貼り替えは、まずもともと貼ってあったクロスをはがして下地(石こうボードの場合が多い)をむき出しにします。そのうえで、はがしきれずに残ってしまった薄紙や下地同士の隙間、ビス穴などをパテで埋め、その上にクロスを張っていきます。

新築できれいな状態の下地にクロスを張っていくのに比べ、リフォームの場合、下処理をしてもフラットにしきれない部分があるため、薄いクロスやツルッとした質感のクロスだと、どうしても下地の凹凸を拾いやすくなってしまいます。

厚手で凹凸などの模様があるクロスを選ぶことで、そういった部分を目立たなくすることができるのです。

とはいっても、薄手のクロスが気に入ったのでどうしてもこれを張りたい、というケースもあるでしょう。そういった場合は、より下地の凹凸を目立たなくする「プライマー処理」を行う、もしくは下地の石こうボードも張り替える、といった方法があります。

追加料金はかかると思いますが、よりインテリアにこだわりたい場合は、検討してみるといいと思います。

 

施工後にチェックすべきポイントとは

巾木やドアまわりのクロスのイメージ

クロスの張り替え完了後、ぜひチェックしていただきたい部分があります。それは、クロスの端の処理がきちんとされているかどうかです。

とくに「ドア枠・窓枠の上」「カウンターの下」「巾木(はばき・床と壁の境目部分に取りつける部材)の上」といった、少し目線をずらさなければ目につかない部分を注意して見てみてください。

これらの場所は、きれいにクロスがカットされておらず、少しはみ出てしまっていることも多いのです。また、クロスののりがふき取りきれずに残っていることもあるので、よく見ておくといいと思います。

枠の上などは見えにくいので、鏡を使うとチェックしやすくなります。 クロスの処理は施工後でもできますし、のりは数日経過して乾燥してからのほうが見つけやすく清掃も容易。リフォーム後に気持ちよく生活できるよう、発見したら引き渡し前に是正を依頼してみるといいでしょう。