菜箸にお玉、フライ返し…。毎日の食事の支度に使う調理ツールは形や大きさがまちまちで、収納に困りがち。

「取り出しにくいとしたら、“調理ツール”というカテゴリーでまとめているのが原因かもしれません」というのは、整理収納アドバイザーの大木聖美さん。使いやすい収納法を、詳しく語っていただきました。

毎日使う調理ツールは、使用頻度で分けると取り出しやすくなる!

調理ツールは「要・不要」や「使用頻度」で絞り込み、よく手に取る「1軍」は、取り出しやすい特等席に収納しましょう。

●最初はやっぱり「要」「不要」の見直しから!

調理ツール
毎日使う菜箸と、ときどき使う泡立て器。両方が同じところに収納されていると、取り出しにくくなります。
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まず最初にやるべきことは、現在その調理ツールを使っているかどうかの確認。
「要」「不要」を見分けることから始めましょう。

キッチンじゅうに散らばっている調理ツールをすべて集め、テーブルの上などに並べます。
そして1つ1つにおいて「1年以内に使ったか」を基準に判断。使っていないものは潔く処分しましょう。

たとえば菜箸は、長さの違うものが混じっているとペア探しに苦労します。
同じデザイン、同じ長さで統一すると、どの2本を取ってもペアになるのでラク。長さが違うものは処分対象に。

「厳選したお気に入りを少しだけ」という方針を心がけてみてください。

●調理ツールを使用頻度で分けてみましょう!

使用頻度

使っているものだけになったら、今度は「使用頻度」で分けてみましょう。

ここでの基準は「毎日使っているかどうか」です。1日1回使うかどうかを基準に分けてみてください。

毎日使っているモノが「1軍」のモノ。それ以外が「2軍」のモノとなります。

普段よく手にするものは、使いやすいもの。

「かき混ぜる・ひっくり返す・すくい上げる」など複数の使い方ができるシリコンスプーンは、優秀なツールです。

ときどき使うけれど、使用用途が限定されているものは「2軍」です。

アイスクリームやポテトサラダなどをすくって丸く整える「アイスクリームディッシャー」や、毎日使うわけではない巻きすや泡立て器も、わが家では2軍に入ります。

●毎日手に取る「1軍」の調理ツールは、取り出しやすい特等席へ!

「1軍」の調理ツール

そして、今まで調理ツールを収納していた場所に「1軍」のものだけを戻してみてください。

厳選された調理ツールだけになったので、目的のものが見つけやすく、取り出しやすくなっているかと思います。

毎日使うものだから、すぐ取り出せる場所に収納したいのが「1軍」のツール。

今までの収納場所が取り出しにくいと感じていたら、この機会に今一度考え直してみましょう。

たとえば、コンロ下の引き出しに収納すれば汚れはつきませんが、出し入れするのに扉の開閉が必要になります。

ワンアクションで出し入れが可能
出しっぱなしにすると手に取りやすくなる一方で汚れも。使いやすさとお手入れの手間を秤にかけてみましょう

コンロ脇に立てかければワンアクションで出し入れが可能ですが、油汚れが飛び散るからお手入れに気を使います。近くにつり下げるのも同様ですね。

手間はかかっても汚れを防ぎたいのか、汚れてもいいからワンアクションで取り出したいのか。収納を見直すタイミングで、自分が好きな使い方を改めて考えてみるのもよい機会かと思います。

●ときどきしか使わない「2軍」の調理ツールは、多少取り出しにくくてもOK!

使用頻度が低いけれど、たまには使っているという「2軍」のモノは、キッチン内ならどこに収納場所を決めてもよいでしょう。
つり戸棚の手前や、引き出しの奥でも、どこにしまったのか忘れない場所ならOK!

「2軍」の調理ツール
ときどきしか使わない2軍のツールは多少取り出しにくくてもOK。グルーピングして引き出しの中に収納

缶や筆立てなどを使って立てる収納もよし、ボックスに寝かせて収納をするのもよし。収納する場所や好みによって変えましょう。
いずれにしても、これが2軍のものとわかるよう、缶やボックスにまとめてグルーピングしておけば、ちらかることもなくわかりやすい収納になります。

●最後に、料理をしてみての検証、見直しを忘れずに!

使い心地を検証

収納を改善して終了ではなく、その後に実際使ってみて使い心地を検証するのが大事です!

ほかの家族にも1軍と2軍に分けたことを共有し、全員で使い心地について検証してみると、よりよい収納になります。

よりよい収納

たくさんのツールの中から目的のものを探すのは、少なからずストレスがかかるもの。簡単に探せてパッと取り出せる「1軍」だけの調理ツール収納のよさを、試してみてください。

毎日の家事の負担を少しでも減らして、使いやすいキッチンに近づけましょう。