●目の不自由な方の生の意見でできあがる「音声ガイド」

また、音声ガイドの制作過程では、目の不自由な方に聞いてもらい、その説明で本当に理解できるか、映像がイメージできるかどうか、意見をもらうのです。

その作業に立ち会ったことがあるのですが、最初はガイドで楽しむ映画ってどんな感じなんだろうと思っていましたが、視覚障害者の皆さんが本当に楽しそうに参加していて、しかも「私たち、公開前に見られるなんてラッキーですね!」と根気のいる作業にもかかわらず前向きに取り組んでくださったのが印象的でした。

さらに、私の「声」を認識してくれて、「テレビで聞いたことがある」と言って下さったのです!「テレビを見て下さっているんですね?」と聞いたところ、「よく見るよ」と。

心の目でしっかりと見てくれているんだ、と感じました。その時から、私の中で障害が「ある・ない」をあまり意識しなくなりました。だれもがなにかのマイノリティ。みんなで助け合えばいいんだと。

では、具体的に私たちになにができるのでしょう。

 

【皆さんにもできること~目の不自由な方のために】

横断歩道に立つ男性
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視覚障害者を見かけたら…

・「なにかお手伝いできることはありますか?」と声をかける

(大丈夫ですか? ではなく、自分にできることはありますかという聞き方がよい)

・迷っている、困っているかどうかを見極める力を養う

・突然体に触れるのは驚かせてしまうのでさけましょう

・誘導を希望された場合は、左右どちらに立った方がいいかを確認し、肩やひじを相手につかんでもらう

・半歩前を歩く

・段差が少しでもある場合は、「段差があります」「一段下がります」などイメージできるように伝える

・階段はとくに危険ですので、一段先を一定のリズムで進む

・振り向いたり、急に止まったりしない

・「目的地が10mくらい先に見えてきました」などまわりの様子を言葉で説明するとさらによい

・相手の手を引っぱったり、後ろから押すなどは不安にさせてしまうのでNG

 

<駅のホームで転落事故・踏切での事故を防ぐために>

・危険を感じたら迷わず呼びかける

・「盲導犬(白杖)の人、止まって」とその人が自分のことだとわかる言葉「+止まって」を言う

音訳ボランティアをやってみる(書籍や雑誌、新聞の内容を音声にして伝える)

・光を閉ざした“純度100%の暗闇”体験ダイアローグ・イン・ザ・ダークに参加してみる