●「しがらみ」から解放されていくのが、50代の特権
すべての画像を見る(全4枚)奥田さんは、子育てや仕事の忙しさがひと段落した50代以降の女性には、こんな“特権”があると言います。
「シニアになればなるほど、義理や仕事のために無理してつき合ってきた人間関係や、社会のしがらみから、自分の心がけ次第で解放されることが可能です。
上辺だけの人間関係は徐々に縮小していき、本当に信頼し合える人とだけ、少数精鋭でつき合うようにすると、心穏やかにラクになれることを中村先生の生き方から学びました。友達も多すぎると、その分、煩わしい人間関係も多くなりますから」
●どうにもつらいときは「寝る」に限る
それでも気が晴れないときの最大の処方箋は、「寝ること」。
「とくに疲れているときって、自己嫌悪に陥ったり、ネガティブな気持ちに傾きやすい。中村先生はそんなとき、『しゃあない。過去は変えられない。次からはがんばろう』と思って、さっさと寝るに限るとよく言ってました。実際、睡眠をたっぷりとると脳科学的にもポジティブな気持ちが湧くことが証明されています。
気持ちが滅入ったときこそ、栄養豊かなお食事を摂って、お酒が好きな方は適量を召し上がり、温かいお風呂に入ってたっぷりと睡眠を取る。そうすると、通常、翌朝にはつらい気持ちがかなり薄らいでくるものです。
裏返せば、寝ないと嫌な記憶はなかなか薄まりません。そうはいっても、なかなか寝られない人もいるでしょう。もしどうしても自力で眠れない日が多い人は、心療内科でぜひ相談してください。実は私自身も不眠になりやすく、ときどき睡眠導入剤を活用しています」
奥田さんは、「自分が弱っているときこそ、自分がゆったりできること、楽しいと思えることを多めにしてあげて」と強調します。余分な欲を捨てる、人間関係を整理する、モヤモヤしたらサッサと寝る。この3つができれば、50代からの生き方は大分ラクになるはずです。