半端なく暑かった今年の夏。たまった疲労で、心や体が悲鳴を上げていませんか?

そんな体を休めるのに効果的な、副交感神経が活性化する呼吸法を、バレエダンサーの竹田純さんに教えてもらいました。

寝たまま行う“6秒呼吸”で心と体をリラックス

竹田さんは、バレエ+リラックスを組み合わせた、寝転んでできる心地いいストレッチ「バレックス」の考案者。バレエダンサーが行うボディメンテナンスをヒントに編み出されたものです。

「寝っころがると、リラックス効果のある副交感神経のスイッチが入り、筋肉から余分な力が抜けます。ゆったりと深い呼吸がしやすくなるので、ここで“腹式呼吸”と“肋骨呼吸”を行うと、副交感神経がより活性化されて血液の循環がよくなり、内臓機能の働きも活発になります」

ゆっくりとした深い呼吸は、体の緊張をほぐしてくれます。
「3秒吐いて3秒吸う“6秒呼吸”をぜひ覚えてください。腹式呼吸と肋骨呼吸をセットですると、より効果的ですが、目的によってどちらか一方でもOKです」

●体の中から疲れにくくなる腹式呼吸

肺
腹式呼吸で疲れにくくなる
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腹式呼吸は、背骨や横隔膜まで連動させる大きな呼吸。あおむけで行うことで余計な力が入らず、ラクに行えます。腹横筋(ふくおうきん)など体幹の筋肉群も刺激され、内側から疲れにくい体になります。

1.おなかから押し出すようにして口から3秒で息を吐く

男お腹に手をあてる

あおむけになって脚を肩幅に開く。両手を下腹に当て、3秒かけておなかから押し出すようにして口から息を深く吐く。

2.おなかが膨らむように鼻から3秒で息を吸う

男お腹に手をあてる2

おなかがしっかり膨らむのを意識しながら、3秒かけて鼻から息を深く吸う。1、2を10回繰り返す。

あおむけで深い呼吸をして腰に負担を感じる人は、両ひざを立てるとラクになります。

●横隔膜をダイレクトに刺激する肋骨呼吸

肋骨

吐くときに肋骨を寄せ、吸うときに肋骨を横に開く肋骨呼吸は、バレエの基本の呼吸法。肋骨周辺の横隔膜や広背筋(こうはいきん)をダイレクトに刺激して、効率よく自律神経のバランスを整えます。

1.肋骨を真ん中に寄せながら口から3秒で息を吐く

男鎖骨肋骨に手をあてる

あおむけになって脚を肩幅に開く。右手を鎖骨、左手を肋骨に当て、肋骨を真ん中に寄せながら、3秒かけて口から息を深く吐く。

2.肋骨を広げながら鼻から3秒で息を吸う

男肋骨鎖骨に手をあてる2

胸が上がることなく、肋骨が横に十分広がるよう、3秒かけて鼻から息を吸う。1、2を10回繰り返す。

男両手肋骨

肋骨呼吸がうまくできているかわからないときは、両手を肋骨に沿わせると、きちんと肋骨が開閉しているかどうか確認できます。

※妊娠中やその可能性のある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。