家族での暮らしが長くなるにつれて、持ちものも多くなる50代。ライフオーガナイザーの下村志保美さんは、自宅のリフォームをきっかけにものの持ち方を考え直したそうです。
「それを使う未来が想像できるのか?」を捨てる目安に
今の家に引っ越しきてから16年。当時小学2年生だった娘は成人し社会人に。
途中夫の単身赴任があったり、娘が一人暮らしをしたり、ペットを飼ったり見送ったり、暮らしにはたくさんの変化があり、床の傷や壁の汚れ一つ一つに思い出があります。
今回自宅をリフォームするにあたり、そんな暮らしを振り返りながらものと向き合ってみました
●茶托を使う来客はある?
すべての画像を見る(全5枚)リフォーム終了後、トランクルームに預けていた段ボールを開梱し、茶托や湯呑みを「どこに収納しようか」と当たり前のように考えながら手に取ったとき、「この茶托とお湯呑みを使うような来客は今後あるのだろうか?」ふと思いました。
自分や家族がお茶を飲むときは日本茶であってもマグカップを使いますし、友人がきたときであってもマグカップかグラスを使うことがほとんど。
結婚するときに母が持たせてくれたものではありますが、収納スペースに限りもあることですので手放すことにしました。
●憧れで買ったティーポット
夫の転勤に帯同して駐在員の妻をしていた時期がありました。日本人同士のホームパーティも盛んでよく招いていただいていました。そのとき、ブランド食器を使っている方が本当に多く、私もほしい! と買ったティーポット。
しかし10年以上使っていないような気がします。そもそも私は自分でお茶を飲むときはお手軽なティーバッグを使いますから必要ない。
そしてこれまたそんな畏まってお茶を淹れなくてはいけない来客があるとは考えにくいのです。
駐妻時代にしっかり使いましたし、これは当時の自分の気持ちを満足させるために買ったもの。今の自分には必要ない。そう考えたら気持ちよく手放すことができました。
●割れないようにしまっていたカップアンドソーサー
こちらは一時期自分が使いたくて集めたカップアンドソーサー。だけど今はお茶もコーヒーマグカップでゴクゴク飲む生活が自分にとってラク。
食洗機で洗えないということもあり、まったく使っていませんでした。
また地震などで割れてしまわないように仕舞い込んでいたのも使いにくさの原因。
こちら見た目は美しく処分するには忍びないので、飾り棚に飾っていつでも目に入るようにしました。
使いたくなったら使うし、地震などで割れてしまったらそれまで…と考えました。
●それを使う未来が想像できるのか?
私が結婚した27年前、駐妻をしていた20年前、そして現在では生活習慣も違うし、生活家電も違う。人を招くスタイルも違ってきています。おそらく今後もどんどん変わっていくことでしょう。
そうなればそのときそのときにあったものがほしくなるし、そのとき必要なものを手に入れた方が使いやすく、暮らしもラクになります。
まだ使えるものでも、「それを使っている自分が想像できるのか?」、それもまたものを持つ基準だと私は考えます。