雨漏りのひどい古家を、必要最低限のコストで再生
愛犬との日々をつづったブログが人気で、書籍も出している穴澤賢さん。別荘地の古家を購入し、週末に過ごす「山の家」にリノベーションしました。
「生活の拠点は『海辺の家』。でも、愛犬の大吉も福助も海が好きじゃない(笑)。一方で、山へ遊びに行くと喜んで走り回る。そんな姿を見ていて、『山の家』を持とうと考えました」
じつは、穴澤さんには富士丸君という先代の愛犬がいました。その富士丸君は、夏の暑さが苦手。そこで、長野県の八ヶ岳に家を持とうと計画を進めていましたが、工事着手直前に逝去。そのときの思いも含めて、今回、山の家のリノベを実行したのです。
古家は雨漏りがひどく、断熱材もほとんど入っていない状態。前面道路と建物の間には樹木が生い茂り、外階段は朽ち果てて…。そこで、屋根や躯体、階段などの補修や補強は大工によるリノベ工事、クロス貼りや床のオイルステイン塗装は自身で行い、必要最小限のコストで建物を再生させました。
屋根は葺(ふ)き直して断熱材を入れ、ダイニングキッチンの横にあった和室を取り払ってLDKに変更。床と階段の踏み板は、犬が滑りにくいよう木製にしました。うっそうとしていた樹木はみずから伐採。ウッドチップを敷いてプライベートなドッグランにしました。
「大吉、福助の笑顔が見たいから実現した週末住宅です」と穴澤さん。山の家は、彼らへの愛情で満ちています。
DIYリノベした空間には、趣味のアイテムが随所に
すべての画像を見る(全27枚)新設した階段は、2匹の足腰に負担がかからないように配慮して、ゆるやかな勾配のL字型に。踏み板とフローリングには、自然素材の塗料「いろは」を使用。撥水性がよく汚れもつきにくいため、お手入れも簡単です。
この写真は、DIYしたときに撮ったもの。以前はベニヤ板がむき出しだった天井は、クロス貼りに変更しました。
ブルーのキッチンカウンターは大工工事で造作。夫婦ふたりで料理をすることもあるため、回遊できるアイランドタイプにしました。
リノベする前は、こんなレトロなキッチンでした。
階段と階段下の棚は大工工事で設置しました。レトロモダンな雰囲気のランプは、映画『シャイニング』に出てきた山小屋をイメージしてシンメトリーに置いています。
2匹の愛犬のために、手をかけ時間をかけて
避暑地で過ごす週末は、穴澤さんと愛犬たちにとって至福のひととき。LDKから続くテラスは、自然に包まれる豊かな空間です。森を眺め、すがすがしい風に身をゆだねて、ゆったりとした時間を満喫しています。
LDK上部にあった個室は壁を取って吹き抜けの寝室に。吹き抜け部分には落下防止用の手すりをつけ、反対側にはクローゼットを設置しました。
ドッグランと山の家の全景。
雑木林と化していた庭をドッグランに変更。穴澤さんはたびたびウッドチップをまいてメンテナンスし、お手入れに励んでいます。そんな愛情のこもったスペースは、大吉君、福助君の大好きなプライベート空間です。
ドッグランをつくっている途中の穴澤さん。
朽ち果てていた外階段は、2匹が上り下りしやすいよう勾配をゆるくして、新たな位置に設けました。階段を下りると、大吉君、福丸君専用のドッグランが広がっています。
リノベする前は、外階段はこんなひどい状態でした。