スーパーに寄ったとき、なんとなくネットショップをのぞいたとき、買う予定ではなかったものをつい衝動買いしてしまった、という経験はありませんか?

安くなっていたから、おいしそうだったから、ポイントがつくから、一目ぼれしたから…などさまざまな理由はあれど、あとで「なんで買ってしまったのだろう」と後悔することも…。

そんな衝動買いの感情をコントロールするのに有効なのが「書き出す」という方法。

本当に欲しいものだけを買うコツ

について、カナダ在住で現在60代のミニマリスト・筆子さんの著書『

書いて、捨てる! モノと心の“ガラクタ”を手放せる4つのノート

』より一部抜粋してご紹介します。

買い物をする女性
つい予定にないものまで買ってしまう衝動買い…どうすれば減らせる?(※写真はイメージです)
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「買いたい」「欲しい」と思う感情とうまく付き合うコツ

人間は感情の生き物なので、衝動的に、感情に突き動かされて、買い物をしてしまうこともあるでしょう。

ですが、衝動買いを減らすことはできます。

今回は、自分の感情とうまくつき合って、できるだけ理性的に買い物をする戦略を4つご紹介します。

●戦略1:買い物メモを活用し、期間を区切って「買わない練習」をする

まず、買うつもりのなかった物を買う回数を減らすために、買い物自体を制限します。

例えば、サラダ油と牛乳が切れたからスーパーに行ったのに、クッキーや雑誌も買ってきたら、後者2つは予定外の買い物になります。このように買うつもりのなかった商品を買わない練習を、期間を区切ってやってみましょう。練習期間は、普段の買い物頻度にもよりますが、1か月くらいを目安にするとよいと思います。

方法は簡単。

買い物に行く前に、買うべき物をすべて書き出して、それだけを買うようにすれば、予定外の物が入り込むことはありません。
メモ帳に「これ以外は買わない!!」

おすすめは、常に買い物リストを書いて用意しておくこと。それができなくても、店に入る前に、必ず買う物を脳内で確認してメモ帳に書き留めるか、スマホのメモ機能を使ってメモしておくといいです。

この練習をしているときは、

たとえ、普段、自宅で使っているものが大幅に値引きされているのを発見しても、とてもおいしそうな新商品のスイーツが目に入っても、買いません

。なぜなら、それは予定外の買い物ですから。

どうしてもほしかったら、家に帰って新たに買い物メモに書き、翌日購入してください。実物(ネットの場合は画像)を見て、「あ、欲しい」と思っても、帰宅したり、ブラウザを閉じたりすれば、わりとあっさり忘れます。

メモに書いて必要なものだけを買う方が、ムダなものを買わないし、頭も疲れないし、買い物時間も短縮できます。

●戦略2:本当に欲しい物とその値段を書いておく

「欲しい度合い」がそこまで高くないものをいくら買っても、自分の本当に欲しいものを手に入れない限り、人は満足できません。

自分が本当に欲しいものを買う生活に近づくために、欲しいものとその値段を書いたリストをつくってみてください。

<本当に欲しいものリストの例>


・北欧風のチェスト ¥150,000 1年後 …月¥12,500
・シンプルでシックなジャケット ¥40,000 4か月後 …月¥10,000
・ロボット掃除機 ¥50,000 半年後 …月約¥8,400
など

いつ手に入れたいかも考え、それを手に入れるには、月々どのくらい貯金する必要があるかも計算します。そして、実際に貯金をはじめます。そんなに高くないものなら、月々の給料から、少し取り除いて、封筒に入れておけばいいでしょう。

こうやって、

本当に欲しい物を買うことに意識を向ければ、どうでもいい物を買うことに、お金やエネルギーを注ぐ余裕がなくなる

と思います。

●戦略3:衝動買いの引き金になっている感情を調べる

メモ帳に衝動買いしてしまった物

感情に突き動かされるといっても、いろいろな感情があると思います。

自分がどんな感情のせいで衝動買いをしてしまうのかを、しっかり突き止めてください

。そして、そのような感情になる大元の原因を解決するか、別の方法でその感情を処理できないかを考えてみます。

次に、

衝動買いの原因になりそうな感情をリストアップ

しておきます。

マイナス感情が引き金になることが多いのですが、ものすごくうれしくて気が大きくなったときも、衝動買いをしてしまうことがあります。いずれにしろ、平常心ではなく、感情が大きく揺れたときに衝動買いしがちだと言えます。

例えば…
・退屈、つまらない
・悲しい
・ひどく傷ついている
・むなしい
・うつうつとしている
・寂しい
・不満
・焦り
・やっかみ、ひがみ
・腹が立つ
ほかにも、まだまだあると思います。

衝動買いするたびに、どんな感情が引き金になっていたか、ノートや日記、スケジュール帳などにメモしておくと、傾向がわかるでしょう。

●戦略4:買い物を引き起こす影響を最小限にする

お酒とスマホを持つ様子
飲酒など余計な買い物を引き起こす影響は最小限に(※写真はイメージです)

スーパーなどで、ほかのお客さんが買っているのを見て、自分も同じ商品を買ってしまうことってありませんか? このように自分の購買という意思決定に影響を与えるものをできるだけ最小限にします。

たとえば…

【飲酒の影響】

お酒を飲んだ勢いで、たまたま見たオンラインショップで、そこまでほしくない物を買ってしまう。その場合、お酒を飲む量や頻度を減らすか、お酒を飲んだあとはパソコンやスマホを見ないようにしましょう。

【時間帯の影響】

オンラインショップで最も商品が売れるのは、21~23時あたりだと言われます。たいていの人は、夜は心身ともに疲れているので、細かいことをあれこれ考えるのは面倒なもの。感情のおもむくままに行動しがちだし、どんどんネガティブ思考になる人もいるでしょう。

夜間、スマホからの衝動買いが多いなら、夜はさっさと寝てしまうか、パソコンやスマホを見ないようにするのがいちばんです。

【家族・友人・知人の影響】

家族や友達の影響で、不用品をたくさん買ってしまう人もいます。簡単に人の影響を受けない自分になってしまうのがいいのですが、そうなるには時間がかかるかもしれません。

一緒に買い物する習慣のある人と過ごすときは、買い物以外のアクティビティを提案し、SNSを見て物が欲しくなるなら、見る頻度を減らすなど、工夫してください。

【メディア、広告の影響】

「広告がきっかけで、買い物が増えている」と思ったら、広告に触れることを最小限にします。ショップのメルマガやカタログを止め、テレビをダラダラ見るのをやめましょう。広告の見方を変えるのもおすすめです。

私は、学生の頃から、洋雑誌の広告を見てボキャビル(語彙を増やすこと)をするのが趣味だったため、日本の雑誌でも言葉の使い方や表現に目がいきます。ぼーっと広告を眺めるのではなく、意識的に見ることによって、その影響を最小限に抑えることができるでしょう。

ついムダな買い物をして後悔しがちな人はぜひ、参考にしてみてください。