今は家族がいても、配偶者との別れ、子どもの自立などで、いつか一人になる日が来るかも…。一度は想像したことがあるかもしれません。

夫の死に続き、子どもが自立して広い戸建てに一人暮らしをするようになった、シニアブロガーのりっつんさん(62歳)。一人暮らしを楽しむノウハウを、『

未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし

』(扶桑社刊)につづってっています。
今回、改めて12年目の一人暮らしを振り返っていただき、ともすれば寂しくなりがちな一人生活をどう楽しく過ごすか、コツを教えていただきました。

パソコンの前に女性
シニアブロガーとして人気のりっつんさん
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60代一人暮らし。住まいの工夫や身だしなみ、人づき合いでご機嫌に生きる

36歳のときに当時38歳だった夫と死別。50歳のときに2人の息子が独立し、人生初となる一人暮らしを始めたりっつんさん。庭つきの戸建て4LDKで、一匹の猫と暮らしています。現在のその暮らしぶりを教えてもらいました。

●住み替えもせず、一人になった4LDKの家で「ダウンサイジング」を実行

4LDKもある家での一人暮らしは、寂しくもあり、管理も大変だと思われますが…。

「やはり覚悟していたとはいえ、夫、長男に続いて次男が就職で家から出ていったときは、大きな戸惑いがありました。これから先はもう話しかける人も食事をともにする人もいない。20年前からわが家に住み着いている猫はいますが、会話はできませんからね(笑)。それに、部屋は2つのフロアに4つもあります。一人で住むには広すぎるのはもちろん、管理も大変です」

猫
長老猫との暮らし。りっつんさんは「同居生物」というのがいちばんしっくりくるそう(りっつんブログより引用)

そこでりっつんさんは、まずものを大幅に処分し、掃除しやすい“空室”をどんどんつくっていきました。

「夫の遺品も、2人の子どもたちが置いていった学習机や本棚なども潔く処分していきました。そうして残ったのは、1人につき段ボール1~2箱分に収まる最低限のもの。これらを押し入れにコンパクトに収めたら、4LDKのうち2部屋を、普段まったく使わない“空室”状態にすることに成功。今は『2LDK』で暮らしているようなものです」

さらに自分の衣類も、ワンシーズン着なかった服を始め、「自分がきれいに見えない服」も一切合切処分してクローゼットもすっきり。手入れが大変な庭も、少しずつ木や草を減らし、管理に困らないようにしたそうです。

ソファやテーブルなどが置いてあるリビング
リビング。お孫さんたちが遊びに来るとにぎやかに(※りっつんブログより引用)

昨今では、広い家を手放して1LDKなど必要最低限の広さのマンションに住み替える「ダウンサイジング」も注目されていますが、りっつんさんは戸建て内で「ダウンサイジング」を実現したといえます。

「家を売って住み替える方が、かえって高くつくと思ったんです。断捨離して思うのは、空間を残しておくと、意外と融通が利く。たとえば、ほぼ“空室”にした2部屋は、2人の孫娘が夏休みに長期で泊まりに来た時などに大活躍。いつでもだれかが泊まりに来てくれる部屋があるって、楽しいですよ」