こんにちは。若松美穂です。主婦業のかたわらエッセイストなどもやりつつ、楽しく、豊かに暮らすためのさまざまな工夫を提案しています。テーブルまわりを中心に、生活のなかの小さな発見をつづっていけたらと思っています。
毎日は選択の連続。自分の選択を後悔しないためにできること
私たちの毎日は「選択」の連続です。
「お弁当になにを入れる?」「今朝はなにを食べる?」「洋服はなにを着る?」「雨が降りそうだけど、傘をもつ? もたない? 折りたたみにする?」などなど…。
写真は、ある日のお弁当。こんなささいなことも、選択の結果です。
明日もまた、同じ選択ができる場合や、内容が大したことでない場合は、それほど気にせず「とりあえず今日は」「なんとなく今は」と選択できます。
しかし就職、離職、転職といった仕事のことや、結婚、離婚、出産、治療法の選択、病気、引っ越し、家や車など大きなものの購入などは、簡単にいかず、迷い、悩むことも多いのではないでしょうか。
私が開催しているセミナーやお茶会にいらっしゃる女性たちの口から、悩みとしてよく出るのが、「自分の選択が正解だったかどうか知りたい」という声です。
その気持ち、わかります。正解かどうか、知りたいですよね。私も「答えさえ見つかれば、すぐに決められるのにな」と思うことがあります。
でも、その時点では、正解か不正解かなんて、多分だれも知りません。答えもありません。
それに、「どうしてこの選択をしたんだろう、失敗だったかもしれない」と思っても、のちのち「あの選択があったからこそ」という場合もあります。
逆に、そのときには、「絶対に、必ず、幸せに近づくことができる」と思ったのに、見当違いだったということもあります。
時間がたってみないとわからないこともあるのでしょう。
ただ私が思うに、選択はどうあれ、決めたあとの行動次第では、いくらでも「自分の選択を正解に近づけていくことはできる」と思うのです。
15年前、わが家では、認知症の祖母を有料の介護施設に入所させる決断をしました。今よりももっと「在宅介護が人の道」という時代。みんなどこかで、自分を責めていたと思います。
批判や疑問も多くありました。それでも祖母の残りの人生を豊かにと、家族や親せきが力を合わせました。
私は毎日のように施設に通いました。遠くから家族や親戚が祖母の様子を見に来てくれました。ときには祖母をお茶やランチ、散歩、ドライブにも連れ出しましたし、誕生日も、施設にいる10年間、毎年家族で祝いました。
今、高校生になる二女が言います。
「私、12年もひいおばあちゃんと一緒に過ごせたんだよ。施設でする夏祭りや音楽祭、クリスマスのイベントもすごく楽しかったな。家だったら、あんなことできないもんね。おばあちゃんとのいい思い出」と。
祖母が亡くなったとき、施設に入ってもらったことをマイナスにとらえた家族は一人もいません。みんな、施設の方々に感謝の気持ちでいっぱいでした。
選択後、なにをするでもなく、いつまでも後悔や恨み、ガッカリ感や喪失感に包まれて過ごし続ければ、その選択は、おそらく不正解に近づくのでしょう。
一方、できることをコツコツ行えば、後悔がまったくなくなるとまでは言わなくても、その選択は正解に近づけるのかな。私はそう思っています。
【若松美穂(わかまつみほ)】お金をかけずにセンスと工夫でおしゃれに暮らすカリスマ主婦読者として、生活情報誌『ESSE』や『サンキュ!』などで紹介され、人気者に。2011年、心理カウンセラーの資格を取得。主婦業のかたわら、エッセイストとしての執筆活動のほか、講演、各メディアへの出演など多方面で活躍。夫と、大学生、高校生の娘、母親の5人家族。埼玉県在住
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